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【編集後記】Vol.367=「無観客試合」

2021.6.11 16:21 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
関東大学リーグの主会場、東京・アミノバイタルフィールド
関東大学リーグの主会場、東京・アミノバイタルフィールド

 

 今のご時世、仕方がないとはいえ「無観客試合」は、やはり寂しい。

 スポーツはスタンドからの声援や歓声があってこそ、プレーする側も気持ちよく頑張れるのだと思う。

 

 関東大学リーグの試合会場の一つ、東京・アミノバイタルフィールドのバックスタンドから見える景色が好きだ。

 晴れた日は、フィールドの緑と青空に客席が挟まれて、とてもきれいだ。

 日没直前には、太陽光の加減で夕陽が金色に輝いて見える「マジックアワー」と呼ばれる時間帯を、数分間楽しむことができる。

 ただ、そこには選手を応援するファンや関係者の姿はない。

「マジックアワー」=2020年11月14日、東京・アミノバイタルフィールド
「マジックアワー」=2020年11月14日、東京・アミノバイタルフィールド

 

 新型コロナウイルスの感染対策で、取材をするには事前申請が必要だ。学連が作成した申請書に取材者の名前、会社名などを記入し、誓約書の提出も義務づけられる。

 「密」を避けるために、チームは屋外で着替える。学生さんも大変だが、試合ができることを喜んでいるのが救いである。

 

 東京五輪が、開催に向けて動き出している。期間中、都内の競技施設は2年前のラグビーのワールドカップの時と同じように、五輪優先で使用される。

 アミノバイタルフィールドは、客席下の空間や駐車場が近代五種の選手が乗る馬の待機所になる予定だ。

 

 昨年秋の関東大学リーグは、コロナ禍の影響でリーグ戦の試合数を減らすなど、変則的な形で実施した「特別なシーズン」と位置づけられ、優勝回数などはカウントされない。

 日程の関係で、入れ替え戦が実施されなかったり、棄権するチームが出て試合が組めなかったりで、思いを残してこの春に社会へ巣立っていった4年生は少なくない。

 

 関西では、緊急事態宣言の発令で中断していた春のシーズンが、6月6日に再開した。

 昨季の甲子園ボウルの覇者・関西学院大は今週末、新チームの初戦となる桃山学院大との試合に臨む。もちろん無観客開催である。

 

 先が読めない非常事態の中で、秋のシーズンまでには穏やかな日常が戻ってくることを祈りながら、今は試合を見守りたい。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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