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【編集後記】Vol.364=「この人のチーム」

2021.5.7 16:32 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
新チームの初戦となった専大との試合をサイドラインから見詰める日大の橋詰功監督=4月24日、日大グラウンド
新チームの初戦となった専大との試合をサイドラインから見詰める日大の橋詰功監督=4月24日、日大グラウンド(撮影:岡野将大)

 

 収束に向かう気配が見えない新型コロナウイルスの影響で、大学やXリーグの春に予定されていた試合が軒並み中止になっている。

 厳しい状況はまだしばらく続きそうだが、東京都に緊急事態宣言が発令される前日の4月下旬に、日大と専大の試合を観戦した。

 試合は控え選手が中心のいわゆる「JV戦」だったが、レギュラー組も何人か出場していた。

 

 曲折を経て、昨シーズンは関東大学リーグ1部TOP8を制し、3年ぶりの甲子園ボウル出場を果たした「フェニックス」は、主力だった多くの4年生が卒業した。

 毎年選手が入れ替わるのは学生チームの宿命だが、今季はまさに再建の年になる。

 

 立命大OBの橋詰功監督が就任して4年目。橋詰さんは契約期間が満了する、8月いっぱいでの退任が決まっている。

 秋のシーズンを目前に控えてチームを去る微妙な立場にあるが、見ていて思ったのは、日大は「この人のチーム」になったということだ。

激しいライン戦を繰り広げる日大と専大の選手=4月24日、日大グラウンド
激しいライン戦を繰り広げる日大と専大の選手=4月24日、日大グラウンド(撮影:岡野将大)

 

 「左から1番ね!」。試合前のコイントスで、サイドラインに並ぶ順番を、マネジャーと思われる学生が指示する。

 相手のファンブルボールを守備選手がリカバーした場面では「一喜一憂しないよ!」。なんだか日大らしくていいではないか。

 

 53―33のスコアで勝った試合後、橋詰さんは学生を前にこう言った。

 「これからは(コロナ禍の影響で)練習もままならないかもしれない。だからこそ、この期間をどう過ごすかが大切。その成果は秋に出る」

 DL菅原大斗主将の号令で、選手は試合後の練習に整然と散っていった。

 

 監督と学生の間にあるのは、揺るぎない信頼関係。「この人のチーム」と感じた最大の理由である。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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