金だけ目的の就労は健康リスク 高齢者千人調査で判明
2021年05月11日

高齢者のうち金銭だけを目的に働く人は、生きがいを求めて働く人よりも健康リスクが高いとする研究結果を、東京都健康長寿医療センター研究所の介護予防・フレイル予防推進支援センター、同社会参加と地域保健研究チームが発表した。
三つのグループの2年後の調査結果から、主観的な健康感の程度、精神的な健康度、生活機能悪化リスクを比較すると、金銭のみが目的と答えた人は、生きがいを目的とした人に比べて健康感の悪化リスクが1・42倍、生活機能の悪化リスクが1・55倍になった。生きがい、金銭両方を目的とした人は、生きがい目的の人との差がなかった。
同研究チームは既に、定年後でも働く人は仕事を辞めた人に比べて健康が維持され、退職した人は健康の自覚、生活機能がともに低下していくとの研究結果を報告していた。
今回の研究結果について、金銭のみを目的に働く人は、より多くの収入を得るため「長時間」「危険」「重労働」の仕事に従事して心身の負担が大きい可能性があり、健康に働くための相談窓口や貧困対策などのセーフティーネットの充実が必要だとしている。

2013年と15年に、東京都内の65歳以上の高齢者に調査票を送り、13年の時点で働いていた1069人を対象に調べた。
働く目的が「健康のため」「生きがいを得たい」「社会貢献・社会とのつながり」だと答えた人を「生きがい目的」と定義。また「生活のため」「借金返済」「小遣い程度の収入」と答えた人を「金銭目的」と定義した。内訳は、生きがい目的だけが24%、金銭のみが34%、両方に目的がある人は43%だった。三つのグループの2年後の調査結果から、主観的な健康感の程度、精神的な健康度、生活機能悪化リスクを比較すると、金銭のみが目的と答えた人は、生きがいを目的とした人に比べて健康感の悪化リスクが1・42倍、生活機能の悪化リスクが1・55倍になった。生きがい、金銭両方を目的とした人は、生きがい目的の人との差がなかった。
同研究チームは既に、定年後でも働く人は仕事を辞めた人に比べて健康が維持され、退職した人は健康の自覚、生活機能がともに低下していくとの研究結果を報告していた。
今回の研究結果について、金銭のみを目的に働く人は、より多くの収入を得るため「長時間」「危険」「重労働」の仕事に従事して心身の負担が大きい可能性があり、健康に働くための相談窓口や貧困対策などのセーフティーネットの充実が必要だとしている。
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