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【聖火リレー アラカルト】 福島の復興願い14歳力走 原発事故で岐阜移住

2021.4.12 13:00 共同通信
福島県双葉町出身の中学3年田内恒樹さん。自宅には東日本大震災前に妹(右)と写ったカレンダーの写真が今も飾られている=3月、岐阜県垂井町
福島県双葉町出身の中学3年田内恒樹さん。自宅には東日本大震災前に妹(右)と写ったカレンダーの写真が今も飾られている=3月、岐阜県垂井町
 「僕と同じように、まだ帰れていない人がいることを知ってほしい」。岐阜県で4日実施された東京五輪聖火リレーで、福島県双葉町出身の中学3年田内恒樹さん(14)=岐阜県垂井町=がランナーを務めた。東日本大震災後の東京電力福島第1原発事故の影響で岐阜に移住してから10年。復興を願う気持ちと受け入れてくれた岐阜への感謝を胸に大舞台を走り抜けた。
 10年前の3月11日。地震発生の瞬間は居間で昼寝中だった。テレビが顔の数センチ横に落下し間一髪だったと後に母から聞かされたが、「何も覚えていない」という。
 複数の避難所を転々とした後、垂井町へ。「みんな親切にしてくれて、すぐに友達ができた」と振り返る。「岐阜でお世話になった人たちへ感謝を伝えたい」との思いが、ランナー応募のきっかけになった。
次走者の山本耕史さん(左)に聖火を引き継いだ田内恒樹さん=4日午後、岐阜県関ケ原町
次走者の山本耕史さん(左)に聖火を引き継いだ田内恒樹さん=4日午後、岐阜県関ケ原町

 転居した経緯を理解したのは小学生になってから。自宅があった地域は放射線量がまだ高く、今も「帰還困難区域」に指定されたまま。15歳未満は立ち入りが認められておらず「来年の誕生日を迎えたら、生まれた家に行ってみたい」と力を込める。

 あいにくの雨となったが、岐阜県関ケ原町の担当区間を妹(11)ら家族の声援を背に力強く走りきった。走行後、謙虚に語った。「きょうの僕の走りで、福島の復興を少しでも後押しできたらいいな」