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【4533】米百俵 蔵の宝 六郎次 純米大吟醸(こめひゃっぴょう)【新潟県】

2021.4.6 20:50
新潟県長岡市 栃倉酒造
新潟県長岡市 栃倉酒造

 休日の夕方、ふらりと近所のうなぎ屋へ。うなぎはもちろん美味しいのだが、酒がいい。定番酒はありきたりの地酒3種類ほどだが、店主の“隠し酒”が面白い。この場合の面白い、は特段意味のある言葉ではない。わたくしの興味をそそる酒が多い、ということだ。どんなルートで入れているのか興味のあるところだが、あえて聞かないことにしている。

 席につくと、店主が、いつものようにおすすめのお酒を複数抱えて持ってきた。その中から「米百俵 蔵の宝 六郎次 純米大吟醸」を選んだ。「米百俵」は当連載でこれまで、「米百俵 蔵の宝 六郎次 純米吟醸 生酒」(当連載【2510】)を1種類取り上げている。その酒も5年前、このうなぎ屋で飲んだものだった。店主はよほど、この銘柄が好きなんだろう。さて、いただいてみる。

 上立ち香はほのか。やさしい吟醸香が控えめに鼻腔をくすぐる。甘みと旨みと酸が、ふわっと広がったあと、すぐ辛みがくる。この辛みはけっこう強く、余韻もこの辛みが続く。総じて、甘みと辛みが良く出ている、典型的な純米大吟醸酒、と感じた。

 瓶のラベルのスペック表示は「製造年月20.11、原材料名 米(国産)米麹(国産米)、精米歩合45%、アルコ―ル分16度」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。

 酒名の「米百俵」については、物語がある。ウィキペディアは「米百俵」について、以下のように記述している。

「河井継之助が率いた北越戦争(戊辰戦争の一つ)で敗れた長岡藩は、7万4000石から2万4000石に減知され、実収にして6割を失って財政が窮乏し、藩士たちはその日の食にも苦慮する状態であった。このため窮状を見かねた長岡藩の支藩三根山藩から百俵の米が贈られることとなった。
 藩士たちは、これで生活が少しでも楽になると喜んだが、藩の大参事小林虎三郎は、贈られた米を藩士に分け与えず、売却の上で学校設立の費用(学校設備の費用とも)とすることを決定する。藩士たちはこの通達に驚き反発して虎三郎のもとへと押しかけ抗議するが、それに対し虎三郎は、

『百俵の米も、食えばたちまちなくなるが、教育にあてれば明日の一万、百万俵となる』

と諭し、自らの政策を押しきった。
 この米百俵の売却金によって開校したのが『国漢学校』であり、洋学局と医学局が設置された。この学校は士族によって建てられた学校であるが、一定の学力に達した庶民の入学も許可された。国漢学校は、現在の長岡市立阪之上小学校、新潟県立長岡高等学校の前身となった」

 コメをもとに学校を建て人材の育成につとめた先人の遺訓をしのんで、酒名が「米百俵」と命名された。この物語は、小泉純一郎内閣総理大臣が、小泉内閣発足直後の国会の所信表明演説で引用されて話題になり、2001年の流行語にもなった。

 酒名副題の「六郎次」について、ウィキペディアは「2009年に杜氏『郷六郎次』氏が新潟県卓越技能者『にいがたの名工』に選ばれた」と書いている。「六郎次」は杜氏さんの名前なのである。

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