金量産の格闘技王国  ハングリー精神が源に 【わが街 オリンピアン 北海道】

2021年04月02日
共同通信共同通信
東京五輪レスリングで1日に3個の金メダルを獲得した(左から)上武洋次郎、渡辺長武、吉田義勝=1964年10月14日、駒沢体育館
東京五輪レスリングで1日に3個の金メダルを獲得した(左から)上武洋次郎、渡辺長武、吉田義勝=1964年10月14日、駒沢体育館
 1950~60年代に北海道から千代の山、吉葉山、大鵬と大相撲の道産子横綱が誕生した。多くの少年たちが相撲取りに憧れた。64年東京五輪レスリングでフリースタイル・フライ級王者の吉田義勝(77)もその一人。理由は明快だ。「体一つでお金を稼げて、腹いっぱい飯が食える」

 旭川市生まれで7人きょうだいの5番目。暮らしは楽ではなかった。新聞配達や肥やし運び、まき割りが日課となり、足腰が自然と鍛えられた。

 56年メルボルン五輪。日本海沿いの増毛町出身の池田三男がレスリング・ウエルター級で優勝し、32年大会陸上男子三段跳びの南部忠平以来2人目の金メダルを北海道にもたらす。レスリング熱は道内に広がり、吉田は薬問屋で働きながら定時制高校で競技を始めた。

 東京大会で吉田と同じ日にフェザー級を制した渡辺長武(78)は旭川の北に位置する和寒町育ち。父親が病で倒れ、家業の豆腐店で毎朝、石臼をひいてから学校に通い、窓の隙間から雪が吹き込む体育館で練習した。強靱(きょうじん)な体と正確無比な技で公式戦189連勝。「アニマル」「スイス・ウオッチ」と例えられた。

 68、72年大会でも旭川出身の選手が優勝し、レスリングの五輪金メダルは5個。その源は「厳しい気候の中で育まれた忍耐力とハングリー精神」と吉田は言い切る。

北海道出身の主な五輪選手
 

 格闘技王国の系譜は女子柔道に受け継がれる。恵本裕子(46)は96年アトランタ大会61キロ級で柔道女子初の金メダルに輝いた。旭川南高の後輩で70キロ級の上野雅恵(40)は2004年アテネから2連覇。妹の順恵(35)も12年ロンドン大会63キロ級の銅メダリストだ。(共同通信=楠晃郎、2019年4月24日配信、所属肩書は当時)

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