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(596)群れないのはリラックスしているから ドピンドピンメダカ  

2021.3.22 10:00
むれずにばらばらに泳いでいた
むれずにばらばらに泳いでいた

 

 午前中は見つからなかった。水槽の前に人がたくさんいるから、かくれているのかも。午後、もう一度来たら、いた! 小さな魚たちが水草の間を泳ぎまわっている。

 名古屋市の東山動植物園にある「世界のメダカ館」。入り口近くの水槽にいるドピンドピンメダカは世界初展示だ。それもそのはず。「メダカの新種なんです」と担当(たんとう)の田中理映子(りえこ)さん。

 インドネシアのスラウェシ島のドピンドピン川で、琉球(りゅうきゅう)大学の山平寿智(やまひらかずのり)先生が見つけた。

 世界のメダカ館は山平先生とメダカの共同研究をしている。新種かどうかは、遺伝子や体の特徴、生態をくわしく調べて決める。メダカ館で飼育する中で、いろんなことがわかった。「たとえばオスは、なわばり争いや繁殖行動のとき、体全体が黒みをおび、体側のはんてんも濃くなります」

 山平先生が見つけたのは2013年だけれど、研究を続け論文がみとめられたのは去年。5年もかかった。論文を書いた人のらんには、田中さんの名前ものっている。

 メダカは群れると思ったら、今はばらばら。「何かに警戒すると、群れて泳ぐんです」。ということは、今はリラックスしているんですか?

 「おそらくそうだと思います」。田中さんたちが、いごこち良くすごせるようにがんばっているからだと思った。(文・写真、佐々木央)=2019年11月配信

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