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(592)ヤマメの一種なのにイワナより上流に   スギノコ 

2021.3.15 9:28
スギノコはふつうのヤマメとくらべると「体が青緑色を帯びています」と佐々木梨江さん
スギノコはふつうのヤマメとくらべると「体が青緑色を帯びています」と佐々木梨江さん

 

 水槽の中に体長20センチぐらいの魚がいっぱい泳いでいた。「むれる」というより「密集している」というのに近い。体には黒いはん点。脇腹の斑点は大きくて、しっぽに向かってならぶ。脇腹は淡いピンク色にそまっている。

 青森市の浅虫(あさむし)水族館にいるスギノコ。青森県の下北半島北部を流れる大畑川(おおはたがわ)には、赤滝(あかだき)という滝があり、スギノコはその滝の上流にすむ。特別な生態なので大切にされていて、そのあたりは魚つりも禁止されているそうだ。

 何が特別なんだろう。担当の佐々木梨江(りえ)さんに教えてもらった。

 「スギノコは、サクラマスが海に行き来せず、川で一生をすごすようになったヤマメの仲間と考えられています。大畑川にはイワナもすんでいて、本来、イワナが一番上流にすんでいるはずですが、スギノコの方が上にいて、イワナは赤滝より下にしかいないんです」

 えさはホッケの切り身。「三枚におろして、皮をはいで、細かく角切りにしてやります」

 でも毎日ではなく、3日に1度。「けっこう食いだめができるんです。それに、毎日やると、全体の量が少なくなるので、強い個体ばかりが食べてしまう。3日に1度だと量が多いので、みんなに行きわたります」

 えさのやり方一つでも、工夫しているんだ。(文・写真、佐々木央)=2019年10月配信

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