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(592)2567匹から生き残った1匹   オオカミウオ 

2021.3.13 10:00
オオカミウオの幼魚。大人より顔つきが子どもっぽい
オオカミウオの幼魚。大人より顔つきが子どもっぽい

 

 顔が大きくて、いかつい。迫力のある姿の魚が水槽の中に何匹もいた。青森市の浅虫(あさむし)水族館のオオカミウオ。名前にオオカミが付くのも当然だと思った。説明に「見のがせない! ここで生まれました! オオカミウオ幼魚」と書いてある。

 担当の竹中樹里(じゅり)さんはうれしそうだ。「2016年12月5日に、巣穴の一つでオオカミウオが卵のかたまりに体をまき付けるようにして守っているのを見つけました」

 今まで水族館で卵がかえったことはない。「なにもわからないまま、見守り続けました」

 産卵から103日後、いっせいに稚魚になった。その数、なんと2567匹。稚魚は大人の魚とは別にして育てた。

 「えさの種類や大きさもどうしたらいいのかわからず、いろいろ試しました」。でも、次々と死んでしまった。

 順調に育って、いま水槽の中にいるのは1匹だけ。「この子の生命力が強かったのと、水質やえさが合ったのではないかと思います」と竹中さん。大人と同じ水槽の中に、小さめの水槽を入れ、その中で大切に育てている。

 日本では北海道や青森の冷たい海にいる魚。「顔つきに似合わず、性格はかなりおとなしいと言われています。幼魚を見られるのは浅虫水族館だけ。かわいいうちにぜひ見に来てください!」(文・写真、佐々木央)=2019年10月配信

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