メニュー 閉じる メニュー

スタチン無効例は高リスク 心筋梗塞後の追跡で判明

2021.3.14 0:00
 心筋梗塞を発症した後に、再発予防のための薬剤として診療ガイドラインでも推奨される脂質異常症の治療薬「スタチン」。だが、この薬を飲んでもコレステロールが下がらない患者ではその後、心不全の発症リスクが高まることが、国立循環器病研究センター心臓血管内科の研究で分かった。
 
 

 2007~14年、同センターに急性心筋梗塞で受診した患者のうち、それまでスタチンの投与を受けたことがなかった505人を最長10年余り追跡して調べた。全例でカテーテル治療終了後にスタチンが投与された。

 その結果、患者の約15%に当たる77人は、スタチンを飲んで1カ月後にも悪玉コレステロール(LDL)を下げる効果が15%に満たず、目標値を達成できなかった。
 この77人を、その後の心不全発症の頻度で他の患者と比較したところ、発症リスク(ハザード比)は約3倍と高かった。中でも、スタチンでLDLが全く低下しなかった患者では発症率が約22%にまで達していた。
 これらの患者は、体格指数(BMI)が低く、スタチン投与後の炎症反応が高い特徴があった。
 今回の結果について研究グループは、スタチンによってもLDLが低下しない詳しい原因は不明だが、LDLを下げることが心不全の発症リスク低減に重要であることを示し、スタチンが無効の場合は他の薬剤の追加使用を検討する必要があるとした。
 研究グループは、スタチンが無効な症例を予測して、より適切な薬剤を選択できれば心不全の発症予防につながると指摘。既に効果を測る指標の候補として、LDLの代謝に関わる特定のタンパク質を突き止め、学術集会で報告している。

最新記事