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7月29日・イヌイットと40年、極北の日本人猟師~ウミガラス~

2012.8.1 22:20
ウミガラスを捕る大島さん=30日・グリーンランド・シオラパルク
ウミガラスを捕る大島さん=30日・グリーンランド・シオラパルク

 極北の日本人猟師、大島育雄さんが住むシオラパルクにいくことになった。日本からファックスで2カ月前から連絡を取り合ってきた。しかし飛行機の遅れで到着は2週間も遅れてしまった。昨日もヘリコプターの定期便を予約していたが、これもやはり天候不順でキャンセルとなった。そこで今いるカナックから娘のトクさんの船でいくことにした。
 約2時間。海上にはアザラシが群れ。名ハンターのトクさんはすぐに銃を構えるが今回は遠すぎるせいか撃たなかった。氷山の間をすり抜けるように北に向かう。海上で何か見つけたらしい。近づくと2・5Mはあるイッカククジラの死がいだ。牙も付いている。トクさんは手際良く、ロープを引っかけシオラパルクまでえい航した。犬の餌にするらしい。
 いよいよシオラパルクが近づいてきた。この町は人口約50人。約15家族ぐらいしかいない。ここは「世界最北の村」と言われている。しかし近年、ここよりも北のスバルバルという島に石炭か何かを取るために新しく村ができたという。
 大島さんは40年前、グリーンランドの山に登るためにこの地を訪れた。当時、冒険家の植村直己さんもこの村に滞在しており、植村さんから犬ぞりのムチの手ほどきを受けた。大島さんはそのままここに居ついてしまい、イヌイットと結婚。現在孫が9人もいる。
 自宅から3キロほど離れた海岸にキャンプ場があり、夏は一家でそこで過ごすという。そこのキャンプにお邪魔した。満面の笑みで迎えてくれた大島さんは日本人のおじいちゃんそのものであった。
 「ちょっと鳥を捕ってきますんで」、すぐ裏の山に大きな網を持って登っていった。長さ4Mぐらいの棒に直径1Mぐらいの網。岩場に隠れてこれで鳥を捕るという。上空には数万羽のウミガラスが舞う。
 1時間ほどで50羽ほどを捕まえた。「良い出汁が出るんですよ」。とれたての鳥をあっという間にさばきジャガ芋とタマネギと煮込んでカレー味を付けた。「アッパリヤス(ウミガラス)のカレー風スープ」ができた。
 大島さんはここで自然と共に生きている。

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