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米大学フットボールで女性キッカーが試合出場 バンダービルト大学のKフラー

2020.12.2 11:33 生沢 浩 いけざわ・ひろし
ミズーリ大戦に向けて練習する、バンダービルト大学のキッカー、サラ・フラー(右)(AP=共同)
ミズーリ大戦に向けて練習する、バンダービルト大学のキッカー、サラ・フラー(右)(AP=共同)

 

 NFLでは女性のオフィシャル(審判)やアシスタントコーチが登場し、チームの要職でも女性の進出は目覚ましい。NFLもまたそれを強く推奨している。

 

 米カレッジフットボールでは、NFLよりも一足先に女性プレーヤーがすでに複数誕生しているが、先週末にはついに最高レベルのフットボールボウルサブディビジョン(FBS)の中でも特に強豪ぞろいの「パワー5カンファレンス」で史上初の女性キッカーが登場した。

 

 その選手の名前はサラ・フラー。バンダービルト大学の女子サッカーチームに所属するゴールキーパーだ。

 

 11月28日にミズーリ大学との試合の後半のキックオフで登場。背番号はサッカーチームで着用している「32番」だった。

 

 オンサイドキックのようにあえてボールを転がすキックを蹴った。ミズーリ大学は自陣35ヤードラインでそれをリカバー。リターンはなかった。試合は0―41で敗れた。

 

 FBSで女性選手が出場したのは確認できているだけで3人目。ただし、エリート校の多いパワー5カンファレンス(アトランティックコースト、ビッグテン、ビッグ12、パック12、サザンイーストの総称)では初めてだ。

 

 

 フラーは元々アメリカンフットボールチームに所属していたわけではない。

 

 新型コロナウイルスの影響で同大学のスペシャルチームのメンバーに欠員が多く生じ、大学内で人材を求めた結果フラーが出場登録されることになった。

 

 何でも新しいことに挑戦することが好きだというフラーは試合後のビデオインタビューで「私が出場できたのは本当に信じられないこと。でも若い女の子たちの励みになったら嬉しい。スポーツをずっとやってきて苦しいこともあったけど、続けてきたからこそこういうチャンスに巡り会えたのだから」と述べた。

ヘルメットのかぶり具合を確かめる、バンダービルト大学のキッカー、サラ・フラー(AP=共同)
ヘルメットのかぶり具合を確かめる、バンダービルト大学のキッカー、サラ・フラー(AP=共同)

 

 ハーフタイムには、チームメートの士気を鼓舞する「ペップトーク」までしたというフラーは、次のチャンスにも意欲的だ。

 

 

 開幕8連敗と苦戦しているバンダービルト大学は次週、全米ランキング9位のジョージア大学と対戦する。

 

 この試合にフラーが出場登録されるかどうかは分からない。しかし、彼女はいたって前向きで、「このチームが私を必要としてくれたら嬉しい。FGやトライフォーポイントのキックで得点してみたい」と語った。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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