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【4392】写楽 純米吟醸 酒未来 一回火入(しゃらく)【福島県】

2020.11.10 21:15
福島県会津若松市 宮泉銘醸
福島県会津若松市 宮泉銘醸

【B居酒屋にて 全7回の⑦完】

 月1回のペースでB居酒屋に足を運んでいる。この店は酒の品揃えが豊富で、非常に勉強になる。なにより当連載「日本酒津々浦々」の取材になる。頻々と暖簾をくぐってもいいのだが、そうなると新規のお酒に巡り会えない。「日本酒津々浦々」は、わたくしにとって新規のお酒ばかり取り上げているので、それでは困る。したがって経験則から、酒の入れ替えのリズムに合わせるには月1回の来店、ということになる。

「仙禽 FROM BROOKLYN」「みむろ杉 FROM BROOKLYN」「理系兄弟」「いづみ橋」「楽器正宗」「壬生」と飲み進め、最後7番目にいただいたのは「写楽 純米吟醸 酒未来 一回火入」だった。

 宮泉銘醸のお酒は飲む機会が非常にあり、当連載でこれまで、「写楽」「宮泉」を合わせて23種類を取り上げている。甘酸っぱいモダンタイプの味わいが特長的だとおもっている。さて、今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 洋梨香が華やかだ。これにセメダイン香(酢酸エチルの芳香)が混じり合う。味わいは、甘みと旨みと酸と辛みがそれぞれ出ており、ジューシー。この日最初に飲んだ「仙禽 FROM BROOKLYN」に似るが、こちらはすっきりシャープ感があり、辛口。旨みはやや少なめに感じた。一回火入れだが、フレッシュ感がある。総じてバランス良く、上品感があり、キレ良く、飲み飽きしない酒質なので、食中酒に向いているとおもった。

 蔵のホームページはこのお酒を以下のように紹介している。「米の品種名にも見られる酒の未来を感じることができる、ふくよかな果実の含み香で、含んだ後の切れ良く、旨みを感じることができます。寫樂らしいさっぱりとした火入れ感の冷やがお勧めで、どんな料理にも合う食中酒です」

 瓶の裏ラベルには、この蔵のコンセプトが以下のように書かれている。「米を愛し、酒を愛し、人を愛す。みなさまに愛される酒を目指します。 宮森義弘」

 裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、原料米 山形県産 酒未来100%、精米歩合50%、アルコール分16度、製造年月02.08」。

 使用米の「酒未来」についてウィキペディアは、「1999年、民間機関開発。高木酒造の高木辰五郎が山酒4号/美山錦を交配して育種。米雑穀卸業の株式会社アスクが商標登録の権利を有する」と説明している。

 また、地酒屋サンマートのサイトの中にある「お酒用語集」では、以下のように説明している。「『十四代』で知られる山形県の高木酒造の高木辰五郎社長が、『山酒4号』『美山錦』を交配して育種した酒造好適米。自社で交配、育成し、地元の山形県内で栽培した酒造好適米を用いた日本酒を醸造することにより、全国に山形の清酒をアピールする目的で誕生。酒造会社自ら酒米の交配、育種を手掛けた例は全国的でも珍しく、『龍の落とし子』と兄弟系統にある『酒未来』は、山田錦の交配種にあたり、品種改良によって山田錦の系統を受け継いだ醸造適正が非常に優れた酒造好適米です」

 酒名「写楽」の由来について、ウェブサイト「地酒.COM佐野吾郎の酒蔵訪問記」が以下のように説明している。「写楽」はもともとは、この蔵のブランドではなかったのだ。この記事は長いので、以下に要約する。

「宮泉銘醸株式会社は昭和29年に宮森啓治氏が創業した現在で4代続く酒蔵です。創業者の宮森啓治氏は、かつて会津で一番の規模を誇る老舗蔵『花春』の家に生まれますが長男では無かったため分家として独立されました。第二次大戦の企業整備令によって統廃合され使わなくなっていた酒蔵を買い取り、現在の場所で酒造業を始めたというのが創業の経緯です。寫楽(しゃらく)は、廃業した東山酒造という酒蔵が持っていた商標を引き継ぐ形で、平成17年に宮泉銘醸で造りはじめた銘柄。東山酒造も花春から分家した蔵で、商標を引き継ぐなら同じ家の出が良いという事で寫楽を引き継がれたとのことです」

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