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スティーラーズが全勝守る 好調支える看板のディフェンス陣

2020.10.28 11:41 生沢 浩 いけざわ・ひろし
タイタンズオフェンスにプレッシャーをかけ続けたスティーラーズのOLB、T・J・ワット(90)(AP=共同)
タイタンズオフェンスにプレッシャーをかけ続けたスティーラーズのOLB、T・J・ワット(90)(AP=共同)

 

 NFLは第7週にスティーラーズ(5勝0敗)とタイタンズ(5勝0敗)の全勝対決が実現した。

 試合は前半で24―7とリードしたスティーラーズが、終盤に猛追するタイタンズをかろうじて退け、27―24で勝利した。

 

 NFCで唯一勝ちっ放しだったシーホークスが同地区対決でカージナルスに敗れたため、無敗はスティーラーズだけとなった。

 スティーラーズの開幕6連勝は1978年の7勝0敗のスタート以来チーム史上2度目。前回はスーパーボウル優勝を果たしており、吉兆だ。

 

 第5週までは対戦した相手が、ジャイアンツ(1勝6敗)やブロンコス(2勝4敗)など不振なチームだったため実力を疑問視する声もあったが、ブラウンズ(5勝2敗)とタイタンズを連破したことで評価を上げている。

 

 今季のスティーラーズの好調を支えるのは看板のディフェンスだ。第7週終了現在でトータル1位、ラン2位、パス6位の成績だ。

 タイタンズ戦では、前週にテキサンズを相手に220ヤードを走った(オーバータイムを含む)エースRBデリック・ヘンリーを75ヤードに抑えた。

 

 全プレーの約6割でブリッツをするというアグレッシブなスタイルだ。SやCBも積極的にブリッツに参加するため、QBに大きなプレッシャーがかかる。

 それに加えてOLBのT・J・ワットとバド・デュプリーの両エッジラッシャーが、スピードとクイックネスを駆使してオフェンス領域に侵入する。

 スクリメージラインを抜けると一気に加速するヘンリーが、この二人にオフェンス領域でロスタックルを受けるシーンも多かった。

 

 肘の故障から復帰したQBベン・ロスリスバーガーの存在も大きい。今季は強肩を生かしたロングパスをあえて封印し、クリックリリースからのショートパスを多用する。

 これはランディー・フィクトナー・オフェンスコーディネーター(OC)の方針だ。

 

 フィクトナーOCは今季「プレーメーカーにボールを集める。ショートパスを素早く投げてロングゲインにつなげる」という指導を徹底している。

 3歩以内のドロップバックからWRジュジュ・スミス・シュースターや、新人のチェイス・クレイプールにショートパスを投げ、ランアフターキャッチで距離を稼ぐ。

 これによってロスリスバーガーはQBサックを避けられるだけでなく、ロングパスにありがちな被インターセプトの可能性も低くできる。

スティーラーズの不動のエースQBロスリスバーガー(7)(AP=共同)
スティーラーズの不動のエースQBロスリスバーガー(7)(AP=共同)

 

 肘を故障する前のようにロングパスを連発する派手さはないが、オフェンスのドライブ時間は長くなり、ボールコントロールが可能となる。

 ブリッツ多用のディフェンスは個々の守備選手の運動量が増えるから、オフェンスが時間をかけるほど体力の温存ができる。オフェンスとディフェンスの歯車がうまくかみ合っているのだ。

 

 無敗で5勝以上を挙げているチーム同士の対戦は、1970年以降で過去に5回あり、そのいずれも勝者がスーパーボウルに出場しているという、スティーラーズファンが聞いたら小躍りするようなデータがある。

 ただし、スティーラーズの所属するAFC北地区はレーベンズ(5勝1敗)、ブラウンズとの高レベルの三つ巴状態だ。

 

 第8週には、スティーラーズとレーベンズの直接対決1回戦が予定されている。シーズンはまだ折り返し地点にすぎないが、ここでの勝敗は地区優勝を占う上で重要なものとなる。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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