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【4349】天の戸 純米大吟醸45(あまのと)【秋田県】

2020.9.26 20:21
秋田県横手市 浅舞酒造
秋田県横手市 浅舞酒造

【Z料理店にて 全5回の⑤完】

 コロナ休業から店を再開したあと、なぜか足が遠のいていた近所のZ料理店。客が減り苦しい営業を続けているだろうから行ってあげなきゃ、と思いつつ、機会がなく胸を痛めてきた。機会を見つけ、ほぼ4カ月ぶりに暖簾をくぐった。やはり客は少なく、厳しい状況がひしひしと伝わってくる。

「酔鯨」「美丈夫」「獺祭」「山本」と飲み進め、最後5番目にいただいたのは「天の戸 純米大吟醸45」だった。「天の戸」は当連載でこれまで、11種類を取り上げている。穏やかで落ち着いた酒という印象をこの銘柄に持っている。今回のお酒はどうか。いただいてみる。

 やわらか、ふくよかな口当たり。これが第一印象。吟醸香が、やや華やか。甘旨みが良く出ており、中盤から余韻にかけては辛みと苦み。キレ良し。けっこうしっかりとした味わい。瓶の裏ラベルによると酸度1.5という表示だが、飲んでみると、酸は1.5ほどには感じない。というより、酸があまり感じられない。そのようなことを親方に言ったら、彼はこう言った。「酸があまり出ていないので、この酒が好きだ」。わたくしとしては、もすこし酸がほしいところだ。

 瓶の裏ラベルは、この酒を以下のように紹介している。

「農薬を減らし有機質をたっぷり使って蔵から半径五キロ内の田んぼで作ったJA秋田ふるさと平鹿町酒米研究会員の『丹精の結晶』を45%まで磨き、蔵の湧水で仕込み、古式槽(ふね)搾り、無濾過低温貯蔵でお届します」

 また、蔵のホームページはこの酒のコンセプトについて、以下のように説明している。「純米大吟醸を身近に感じていただきたい。そんなコンセプトで仕込みました。『吟の精』の45%精米。飲みごたえとキレの両立。コスパの味吟です」

 裏ラベルのスペック表示は「おすすめ温度 ◎冷酒 ○常温、原材料名 米・米こうじ、原料米 秋田県産酒造好適米100%使用、精米歩合45%、使用酵母 自社酵母、アルコール分16度、日本酒度+2、酸度1.5、醸造方式 槽しぼり、製造年月20.7」。裏ラベルでは使用米の品種名が非開示なのは残念だが、ホームページでは「吟の精」と開示している。

 使用米の「吟の精」は秋田県農業試験場が1983年、母「合川1号」と父「秋系53」(その母は「美山錦」)を交配。育成と選抜を繰り返し開発、1993年に種苗法登録された酒造好適米だ。

 酒名「天の戸」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「浅舞酒造は1917年(大正6年)創業。創業者の柿﨑宗光は、『天の戸は静かに明けて神路山 杉の青葉に日影さすみゆ』という古歌から、酒名を〈天の戸〉としました。〈天の戸〉とは天照大神の逸話で知られる『天の岩戸』のこと。ラベルなどに勾玉 (まがたま)があしらわれる由縁ともなっています。

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