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【4341】Sogga pere et fils LE SAKE EROTIQUE CINQ 生酛 生原酒(ソガ ペール エ フィス サケ エロティック サンク) 【長野県】

2020.9.18 16:27
長野県上高井郡小布施町 小布施ワイナリー
長野県上高井郡小布施町 小布施ワイナリー

【E居酒屋にて 全4回の①】

 前回、E居酒屋を訪れたとき、冷蔵庫の中を見たら、「Sogga pere et fils LE SAKE EROTIQUE」が入っていた。わたくしはたちどころに逆上した。で、ママに聞いた。「なぜ入っているの?」。ママが答えていわく、「Sogga pere et fils LE SAKE EROTIQUE」を1から5まで揃え(1号酵母、2号酵母、3号酵母、4号酵母、5号酵母で醸した酒5種類を揃えた、という意味)、常連会で飲み比べをやるとのこと。

 わたくしが以前よく利用していたM居酒屋のマスターは、この酒が大好きで、時々仕入れてお客に飲ませていた。したがってわたくしもM居酒屋で断続的に「Sogga pere et fils LE SAKE EROTIQUE」を飲んできた。そして、当連載で紹介してきた。当連載でこれまで取り上げたのは1、2、3、6、7、9だ。

 常連会で4、5も飲むというので、そのおこぼれに預かれば、「Sogga pere et fils LE SAKE EROTIQUE」を全種類飲んだことになる。お~し、これは飲まなければならない。ということでママに「常連会で4、5を飲み残し、わたくしに飲ませてね!」とお願い、ママから承諾を得た。

 しかし、当日、4号酵母で醸した酒は飲みきってしまい、多く仕入れた「5」しか残らなかった、という。ママいわく「『4』はレアもので、なかなか手に入らない」とのこと。残念至極。でも「5」だけ飲むだけでも十分だ。5号酵母は1923(大正12)年ごろ、広島県西条(現 東広島市)の『賀茂鶴』蔵から分離されたことで知られる。

 さて、いただいてみる。上立ち香がほのか。華やかではない。ふくよかな口当たりで、とろみを感じる。含むと、バナナ、イチゴ、セメダイン香(酢酸エチル)が混じったような含み香を感じる。甘旨酸っぱい味わい。中でも甘みが出ているが、くどさはなく、さっぱり感もある。余韻は苦みと辛み。これまで飲んできた「Sogga pere et fils LE SAKE EROTIQUE」は、ワイン寄りの味わいだったが、今回の「5」は、従来の印象とは全く違い、非常に日本酒寄りの味わいだった。意外に“普通の日本酒”という印象で、少なからず拍子抜けした。

 これも、酵母によって、味わいがかなり違う、という証左なのだろう。残るは「4」一つ。それを口にできるのは、いつになるのだろうか。

 瓶の裏ラベルには「菌のスペック=旧協会5号酵母と豊かな自然界の菌」と題し、以下に、日本酒造りのコンセプトを熱く語っている。

「小布施ワイナリースタッフ全員が雪と厳寒でワイン畑仕事ができな数週間だけワイン造りから離れ、趣味で極少量を小さなワイナリー内で作り上げるSAKE。
当方の全商品①ブルゴーニュワイン的『単一品種』思想により長野産美山錦のみ使用。②培養酵母を入れない古典生酛、そして戦前発見の6号酵母と我々が70年ぶりに復活させた旧協会1~5号酵母のみで発酵(戦後分離酵母不使用)。③生酛のみで仕込む。④活性炭、アルコール、酵素、培養乳酸菌、培養硝酸還元菌、無機塩類など無添加。⑤衛生管理徹底の上、ワイン設備を共用。⑥Vin Sans Chimie(無化学農薬栽培かつ自然発酵ワイン)を造る本業の名を貶めぬ『SAKE』を醸す。
辛い恋慕や狂おしい恋愛を経た大人の男女にのみ解りうるフェティッシュかつ退廃的な香味のsakeであるがゆえ『Sake Erotique』としました。吟醸香マニア不向酒。
3月になると『趣味のsake』を全て売り切りワイナリー内はsake製造の痕跡すら無いワイン農家の姿に戻ります。
5号酵母//メロン、ライチ、白花、ミルキーな杏仁豆腐の香り、そしてほろ苦アーモンドの香味が散りばめられます。まるでパフェの様」

 裏ラベルのスペック表示は「精米歩合59%、原材料名=米 米麹、アルコール分16度、全商品2019年収穫長野県産美山錦100%使用、製造年月2020年2月」。

 また、裏ラベルには以下の注意書きがある。「小布施の生酒品質保障期間2020年7月31日(未開封冷蔵庫4度以下貯蔵において)。8月1日以降は超マニアックな香り、味わいのSAKEになる可能性があります」

「Sogga pere et fils LE SAKE EROTIQUE」の、以前の裏ラベルの口上には「我々が日本で70年ぶりに復活させた1,2,3,4,5号酵母、昭和の6,7,9号系酵母、そして自然界の微生物を存分に使う」と書かれていたが、その後の口上では「7号以降の戦後酵母は不使用」と書かれ、さらに今回は「1~5号酵母のみで発酵(戦後分離酵母不使用)」と変更となっていた。なぜ変えたのかは分からないが、当初方針に拘泥されることなく、その都度、柔軟に方針を変えていくのは大切なことだ、とわたくしは考える。

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