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チーフス中心のAFC、NFCはシーホークスが充実 9月10日開幕のNFL

2020.9.9 11:21 生沢 浩 いけざわ・ひろし
トレーニングキャンプでパスを投げるチーフスのQBパトリック・マホームズ(15)(AP=共同)
トレーニングキャンプでパスを投げるチーフスのQBパトリック・マホームズ(15)(AP=共同)

 

 入場者数に制限が設けられたり、感染のリスクを回避するために出場辞退を選択(オプトアウト)する選手が続出したりするなど、新型コロナウイルスの影響が随所に見られるものの、NFLの2020年シーズンは無事に開幕を迎えられそうだ。

 今年は現地時間9月10日(日本時間11日)にスーパーボウルチャンピオンのチーフスがテキサンズを本拠地に迎える、昨シーズンのディビジョナルプレーオフの再戦が開幕カードとなる。

 

 今季の大きな変更点は、プレーオフに出場するチームが両カンファレンスで1チームずつ増え、計14チーム制になったことだ。

 8地区のそれぞれの優勝チームにワイルドカードチームが6チーム加わる。これに伴い、レギュラーシーズン終了後にバイウイーク(1週間の休み)が与えられるのは、それぞれのカンファレンスの第1シードだけということになる。

 

 日程的にはプレーオフ1回戦の試合が2試合増え、来年1月9日と10日にそれぞれ3試合ずつが行われる。

 2回戦以降の試合数は従来と変わらない。スーパーボウルは2月7日にフロリダ州タンパのレイモンドジェームズスタジアムで開催される予定だ。

 

 昨年50年ぶりに頂点に立ったチーフスは、QBパトリック・マホームズを中心に主力選手がほとんど残っており、AFCの中心となるだろう。

 大活躍したRBデイミアン・ウィリアムズはオプトアウトするが、ドラフト1巡指名のクライド・エドワーズがその穴を埋めるとみる。

 

 このチーフスに対抗するのが、昨年14勝2敗の好成績を収めたレーベンズだ。リーグMVPに輝いたQBラマー・ジャクソンは順調に準備を進め、今年もパスとランで大活躍するだろう。

 ディフェンスでDLカレイス・キャンベルを獲得するなど、さらにチーム強化を図っており、いよいよスーパーボウルに照準を合わせたシーズンを迎える。

昨シーズン抜群の運動能力を見せつけ、リーグMVPに輝いたレーベンズのQBラマー・ジャクソン(AP=共同)
昨シーズン抜群の運動能力を見せつけ、リーグMVPに輝いたレーベンズのQBラマー・ジャクソン(AP=共同)

 

 この2強に挑戦するのは昨年のプレーオフで旋風を巻き起こしたタイタンズ、エースQBベン・ロスリスバーガーが肘の故障から復帰するスティーラーズ、QBデショーン・ワトソンの成長著しいテキサンズあたりか。

 

 昨年までペイトリオッツの独壇場だったAFC東地区は、戦力分布に異変が起こるかもしれない。

 ペイトリオッツはQBトム・ブレイディが抜けたばかりではなく、LBジェイミー・コリンズ、カイル・バン・ノイの退団、LBドンテ・ハイタワーとSパトリック・チャンのオプトアウトなど主力の離脱の影響を受ける。

 最近3年で2回のプレーオフ出場を果たしているビルズの存在も面白く「政権交代」もあり得る。

 

 NFCはシーホークスの充実ぶりが目立つ。一昨年あたりからディフェンスを中心に若手が成長し、シャキール・ギリフィンやクアンドレ・ディグスらセカンダリーはNFL最強レベルだ。

 QBラッセル・ウィルソンは円熟期に入っており、攻守ともにスーパーボウルを狙える戦力を備えている。

DBシャキール・グリフィン(26)らシーホークス守備の主力メンバー(AP=共同)
DBシャキール・グリフィン(26)らシーホークス守備の主力メンバー(AP=共同)

 

 このシーホークスと、昨季のスーパーボウル出場の49ersがしのぎを削るNFC西地区は激戦になりそうだ。

 49ersはカイル・シャナハンHCの体制が4年目となり、システムが完全に浸透した。

 QBジミー・ガロポロ、TEジョージ・キトル、DEニック・ボーサらが昨年並みの活躍をすれば今年もNFCの有力チームの一つだ。

 この2チームにWRデアンジェロ・ホプキンスの加入によって2年目のQBカイル・マレーのさらなる成長が期待できるカージナルス、新たな本拠地ソーファイスタジアムの歓声で意気が上がるラムズによる地区優勝争いが予想される。

 

 セインツも前評判が高い。過去3シーズンでレギュラーシーズンの勝利数はNFLで最も多い37。41歳のQBドルー・ブリーズもその肩に衰えは見えない。

 ただでさえ強力なパスオフェンスはWRエマニュエル・サンダースの加入でさらに厚みを増した。圧倒的なオフェンスで2009年以来のスーパーボウルを目指す。

 

 ダークホースとしてはブレイディの加わったバッカニアーズを挙げておきたい。

 バッカニアーズはもともとマイク・エバンスやクリス・ゴッドウィンら有能なレシーバーがそろっていた。

 そこにブレイディの盟友TEロブ・グロンカウスキーが加わるのだから、パスオフェンスの潜在能力はNFLトップクラスだ。

バッカニアーズのエースQBとしての活躍が期待されるトム・ブレイディ(12)(AP=共同)
バッカニアーズのエースQBとしての活躍が期待されるトム・ブレイディ(12)(AP=共同)

 

 ブルース・エリアンズHCはビッグプレーを好むから、これが当たればセインツに匹敵する強力オフェンスが誕生する。

 そのセインツとは、開幕戦で早くも1度目の顔合わせが実現する。この試合に勝った方が、NFC南地区の優勝争いを有利に進めることができると言えそうだ。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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