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被災者の心理的苦痛いまだ 相談相手いないと強まる

2020.5.13 17:45
 東日本大震災の後、仮設住宅に住む人たちの心理的苦痛は、時間とともに徐々に低下しているものの、相談相手がいない人では相対的に苦痛が強いことが東北大の研究で分かった。
 東北大歯学研究科非常勤講師(発表当時)の杉山賢明さんらの研究。仮設入居者はこの研究の後も年々減っているが、研究グループは、引き続き行政や地域社会からの支援が必要なことが示されたと指摘している。
 
 

 


 杉山さんらは、応急仮設住宅に入居する約3万世帯を対象に宮城県が実施している健康調査に合わせて質問票を配布。入居する仮設住宅がプレハブ住宅なのか民間の借り上げ住宅なのかや、家族構成、震災時に家族を失ったかどうかなどを含めて回答してもらった。
 18歳以上で回答した人を最長6年間、繰り返し調査し、心理的苦痛の評価には、国際的に使われている指標を用いた。
 その結果を回答年次別に統計学的な手法で分析した結果、プレハブ住宅か民間借り上げ住宅かを問わず、相談相手がいないと苦痛が続きがちなことが分かった。ほかにも「女性」「精神科疾患の既往歴がある」「身体活動量が震災前より低下した」などに該当する人では、心理的苦痛の程度が強い傾向が明らかになったという。
 内訳をさらに詳しく分析すると、友人や配偶者など身近に相談相手がいると、心理的苦痛が軽減されることも判明した。
 研究グループは「身近な相談者による支援は柔軟、迅速に実現できる。被災者支援にはこうしたコミュニティーレベルの『共助』を継続していくべきだ」とコメントしている。

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