動画視聴で乳児虐待半減 「泣き」への対処法伝授

2020年05月13日
共同通信共同通信
 赤ちゃんが泣きやまないことに腹を立て、激しく揺さぶったり口をふさいだりする行為は虐待に当たる。脳に深刻なダメージを与え、死に至らせることもある。その危険性を解説し、「泣き」への対処法を教える動画を産後間もない母親に視聴させると、虐待行為が半減することが東京医科歯科大と東京工業大の共同研究で分かった。
動画「赤ちゃんが泣きやまない」の一場面
動画「赤ちゃんが泣きやまない」の一場面

 


 研究チームは、関東地方のある政令市で、一定期間に4カ月健診を受診した全ての母親を対象に調査。このうち一部の母親には、産後2カ月で地域保健推進員や助産師が家庭訪問した際などに、厚生労働省作製の動画「赤ちゃんが泣きやまない」を視聴してもらった。
 4カ月健診では全員に質問用紙を配布。赤ちゃんが泣いたり騒いだりしたときに激しく揺さぶったことがあったか、手やクッションなどで口をふさいだことがあったか―などを尋ね、計5961人(視聴あり1634人、視聴なし4327人)から有効回答を得た。
 解析の結果、動画を見た母親は見なかった母親に比べ、乳児を揺さぶる確率が64%、口をふさぐ確率が49%、いずれか一方の虐待行為をする確率が56%低くなることが分かった。
 赤ちゃんの脳は未発達で柔らかい。激しく揺さぶられると血管や神経が引きちぎられ、失明や言語障害などの重大な後遺症や死亡につながる恐れがある。こうした症状は「乳幼児揺さぶられ症候群」と呼ばれる。
 東京医科歯科大の藤原武男教授(公衆衛生学)は「両親学級などで動画を活用している自治体もあるが十分ではない。全ての母親が必ず一度は目にするようなシステムが必要だ」と話している。
 「赤ちゃんが~」は動画投稿サイト「ユーチューブ」でも視聴できる。

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