×
メニュー 閉じる メニュー

ピースボート、中止分の返金滞る 1500人超、観光庁が行政指導

2020.5.13 16:45 共同通信

2017年7月、横浜港に帰港したピースボートの船
2017年7月、横浜港に帰港したピースボートの船

 4月に出港予定だった非政府組織(NGO)「ピースボート」の世界一周クルーズが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止になり、企画運営する東京都新宿区の旅行会社「ジャパングレイス」と客との間で、返金が滞っている。乗船予定の客は1500人以上に上り、観光庁が行政指導する事態になっている。

 ジャパングレイスによると、4月9日に横浜港を出港するはずだった「第104回ピースボート地球一周の船旅」(1人139万~395万円)に使用する船が、中国で予定されていたメンテナンスを実施できず中止に。その後、日本国内の感染拡大から4月8日に出港予定だったクルーズ(1人159万~655万円)もできなくなった。

 同社は旅行業約款で、旅行開始前にキャンセルが決まった場合は、その翌日から7日以内に払い戻すとしているが、客には4月11日付の書面で3年間の分割払いを提案。これに対し、日本旅行業協会に客から「返金されない」などの苦情が相次ぎ、報告を受けた観光庁が同月21日、約款通りに支払うよう同社を指導した。

 同社によると、返金対象者は二つのクルーズで計1500人以上おり、うち400人は今後予定されている別のクルーズに振り替えるという。

 西日本に住む母親が4月9日出港のクルーズに参加予定だった札幌市の50代女性によると、母親は約200万円が2カ月以上たっても返金されず、同社に問い合わせても「分割でなければ支払えない」と言われた。女性は「母は高齢なので最後のチャンスと楽しみにしていた。年金生活だし、早くお金を返してほしい」と話す。

 同社広報室は「クルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス』での集団感染の影響もあって想定を上回るキャンセルが発生し、(中止になったクルーズについて)一度に返金することが難しくなった。融資を受けて支払うことも検討している。約款は順守したい」とした。