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まどかと巡る世界将棋紀行

「どうぶつしょうぎ」の考案者である北尾まどか女流二段が、日本の伝統文化である将棋をもっと世界に広げるため、各国を巡ります。海外での将棋事情がよく分かる北尾女流二段のコラムです。

将棋を教えるという仕事 

2017.12.8 17:00 女流二段 北尾まどか
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詰め将棋を将棋ノートに書き写す上海の子どもたち
詰め将棋を将棋ノートに書き写す上海の子どもたち

 2015年の2月、「将棋普及指導員として推薦して欲しい」という知人が、私を訪ねてきました。「将Give」という名前で、20代、30代のリアル将棋交流コミュニティーとしてイベントや普及活動を行っている佐藤友康さん。そしてさらに、その「将Give」の運営を担当しているという若者が一緒に来て、同じく指導員の資格を取りたいと言います。

 将棋普及指導員は三段以上の棋力を有し将棋の普及を志す者が申請し、年に一度の試験を経て得られる日本将棋連盟の正式なライセンスです。将棋はプレーヤーこそ多いものの、指導者がそれだけで生活していけるような環境にはまだなっていません。それなのに、その若者が持ってきた申請書の職業欄は「求職中」と書かれています。聞けば「将棋の海外普及がしたい」と。

 「それは働くとしたら、うち(ねこまど)しかないね」と、気がついた時にはすでに口にしていました。おそらくその彼、砂村洋輔さんは私のことをほとんど知らず、佐藤さんは彼が退職したとは知らずに連れてきたので、なんとも不思議な、そして運命的な出会いでした。

 2回目に会ったのはフランス。マルセイユの「JAPAN EXPO」将棋ブースでの普及活動や、高校での授業に同行してくれました。そして将棋の海外普及の夢を語り合い、すっかり意気投合したのです。

 指導員の試験には無事合格。その後すぐに、ねこまど子ども将棋教室の講師を務めることになりました。教員免許を持っている彼は教え方がとても上手で、子どもたちに大人気。「教室の生徒が100人を超えたら、ご褒美として上海の学校を見に行こうね」と約束したところ、この11月に目標を見事達成し、「研修旅行」へ行ってきました。

 上海の德州二村小学校では校長先生が出迎えてくださり、生徒と保護者60名ほどの皆さんと歓迎のセレモニーを開いてくださいました。中国人の湯順傑先生の将棋授業は電子黒板を使って行われ、子どもたちは将棋専用のノートに出題された詰め将棋を書き写し、積極的に解答しています。

 上海の学校教育での将棋授業は、すでに20年以上実施されているため指導法が発達しており、とても参考になる授業の進め方でした。その後、私と砂村さんとで多面指しの指導対局。参観の保護者に見守られる中、勝った生徒は誇らしげに胸を張って記念写真を撮ってもらっていました。

 将棋の授業が各地で行われるようになり、湯先生や砂村さんのように将棋を教えることを職業とする人が増えれば、将棋はさらに世界に浸透します。もっとたくさんの子どもたちに将棋を伝えたい。そのために必要なメソッドと教材をつくるのが、これからの私の目標です。(北尾まどか)

 

歓迎セレモニーで校長先生と
歓迎セレモニーで校長先生と

 

湯先生の詰め将棋授業
湯先生の詰め将棋授業

 

砂村さんに勝って記念撮影
砂村さんに勝って記念撮影

 

授業を受けた上海の子どもたち
授業を受けた上海の子どもたち

 

北尾まどか

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