メニュー 閉じる

47News

47リポーターズ

47リポーターズ

まどかと巡る世界将棋紀行

「どうぶつしょうぎ」の考案者である北尾まどか女流二段が、日本の伝統文化である将棋をもっと世界に広げるため、各国を巡ります。海外での将棋事情がよく分かる北尾女流二段のコラムです。

ベラルーシの将棋熱 

2017.10.13 11:00 女流二段 北尾まどか
Share on Google+ このエントリーをはてなブックマークに追加
ミンスクの大会には大勢の子どもたちが参加
ミンスクの大会には大勢の子どもたちが参加

 「日本以外で一番、将棋が指されている国は?」と最近よく聞かれます。1位は間違いなく中国でしょう。学校教育で将棋が始まって20年がたち、将棋を授業に取り入れている小、中学校は上海だけでも30校以上あると聞いています。

 私が一番注目しているのはベラルーシ。今年のヨーロッパ選手権の決勝がベラルーシ対決だったということは、以前の本コラムに書かせていただきましたが、他にも注目すべきプレーヤーが続々と出てきています。

 この原稿を書いている2017年10月現在、ヨーロッパ将棋連盟(FESA)のwebサイトには、ベラルーシの選手として362人が掲載されています。この人数は次に多いロシア181人と2倍の差をつけてダントツの1位。その理由は、子どもたちに将棋が広まっていることです。

 私がベラルーシのミンスクを訪れたのは2013年のヨーロッパ選手権でした。当時は短期滞在でもビザが必要で、ベラルーシに関する情報も少なく、入国の際にいつも以上に緊張したことを覚えています。

 巨大な建物と広い空間で、どことなく近未来的な印象のミンスクの街。美しい緑地の隣にある青少年センターで行われた大会には、子どもたちが大勢参加しました。みんな将棋が大好きで、時間さえあれば駒を持ち、私と目が合えばすぐに「Play Shogi!」と対局を申し込んできます。日本からこんなに離れたところで、これほどまで将棋が愛されていることに胸が熱くなりました。

 その将棋熱はリセンカ兄弟という指導者が源。技術的な指導は弟のセルゲイさん、写真撮影や情報発信は兄のアンドレさん、という形で協力し合いながら大会をうまく盛り上げています。年齢を細かく分けてそれぞれの年代で賞を与え、表彰式には笑顔の子どもたちがたくさん並びました。

 そんな中で、この年の世界チャンピオンとなったのは日本人の小学生、伊藤匠君でした。彼はこの後、奨励会に入ってプロを目指すことになるのですが、小柄な眼鏡少年が強豪の大人たちを次々と倒していく姿は、ベラルーシの人々に強烈な印象を残したに違いありません。

 あれから4年。いつもインターネットで様子を見るのを楽しみにしています。リセンカさんたちのアップしてくれる映像で、子どもたちの活躍と将棋クラブの成長を感じながら再訪を心に誓うのでした。(北尾まどか)

大会が行われた青少年センター
大会が行われた青少年センター
中井広恵女流六段の指導対局
中井広恵女流六段の指導対局
大会の表彰式
大会の表彰式
世界大会優勝の伊藤君
世界大会優勝の伊藤君
北尾まどか

最新記事

関連記事一覧