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イスタンブール囲碁教室での将棋ワークショップ

2019.3.8 10:00 女流二段 北尾まどか
ワークショップの参加者と記念撮影
ワークショップの参加者と記念撮影

 

 2月25日の深夜、私はトルコのアタテュルク空港に降り立った。雪が降っていて、吐く息が白くなる。

 私が勝手に暖かい地域のように思い込んでいただけで、イスタンブールは東京より、どの季節も幾分気温が低いらしい。

 

 空港まで迎えに来てくれたマート・グルグチュさんの車に乗って、ボスポラス海峡の橋を渡りアジア側の町、カドキョイへ移動。

 イスタンブールはヨーロッパとアジアの二つの大陸にまたがった都市で、西洋と東洋の文化が融合している。

橋の上から見たイスタンブールの街並み
橋の上から見たイスタンブールの街並み

 

 翌26日は積雪の予報で休校となり、予定していた授業がなくなったため、代わりに街を案内してもらう。

 丘を覆うように建物がひしめき合っていて、海にはたくさんのカモメが飛んでいる。至る所に猫がいて、犬も鎖につながれることなく、あちこちで丸まって眠っている。

 

 アジアでも、ヨーロッパでもない、独特の雰囲気。街中のビルの最上階にイスタンブール囲碁教室はあった。

 囲碁だけでなく、マートさんの運営する「天使塾」(連珠、そろばん、折り紙を教えている)と、お茶の教室を共同運営しているそうで、日本文化に関するカルチャースクールのような感じ。

将棋を教える北尾女流二段
将棋を教える北尾女流二段

 幾つかある部屋の中で、一番広いサロンで将棋のワークショップを開催した。

 参加者は16人ほど。ほとんどが囲碁か連珠のプレーヤーで、全員がチェスのルールを知っているが将棋は初めての人ばかりだ。

 

 最初に将棋の歴史と主なルールを説明するスライドを見てもらう。

 日本語を話せる方のいないところで、自分で英語での説明をするのは今回が初めてで、とても緊張する。
 私の拙い英語を囲碁のメフメット先生がトルコ語に訳して皆さんに伝えてくれる。参加者は興味深く聞いてくださって、とてもありがたい。

 

お茶の先生によるティーセレモニー
お茶の先生によるティーセレモニー

 その後、大盤を使って皆さんと大駒だけの練習将棋を数局指したところで休憩。お茶の先生がティーセレモニーで抹茶をたててくれた。

 世界のあらゆるお茶を研究しているそうで、茶道の作法もセレモニー用に簡略化したものではあったが、とても素晴らしかった。

 

 その後は全員で自由対局。駒の動き方の表を見ながら、それぞれが対局を楽しむ。

 小さい男の子は大きな森の「どうぶつしょうぎ」のイラストの駒が気に入った様子。別の女性はすぐに初期配置を全部覚え、若者同士の対局では序盤の数手が定跡通りの進行になっているなど、それぞれのセンスの良さに驚いた。

将棋のワークショップ
将棋のワークショップ

 

 最後に、大橋流の並べ方、駒の片付け方、礼の仕方についてのお作法を紹介し、みんなで記念撮影してワークショップは終了した。

 とても盛り上がり、今後もぜひ続けていきたいとの言葉をいただいたので、盤駒を寄贈してきた。

 

 こういうときには自主的に続けられるように英語の将棋紹介動画と対局サイトの情報を併せて伝えるようにしている。

 次回来るまでに、メンバーがさらに増えていることを期待している。(北尾まどか)

北尾まどか

名前 :北尾まどか

肩書き:女流二段

プロフィール:北尾まどか女流二段 2000年 、女流棋士2級としてプロデビュー。09年 10月から半年間、NHK将棋講座にレギュラー出演。女流プロ公式戦の対局をこなす傍ら、幼稚園、小・中学校などの教育機関での出張授業や、原稿執筆、講演など、幅広く活動している。10年に将棋普及のため、「株式会社ねこまど」を設立し、代表取締役に。「将棋をもっと楽しく 親しみやすく 世界へ」を理念に掲げ、世界中でイベント出演など将棋を通じて国際交流を行っている。多くの子どもたちに将棋を楽しんでもらおうと考案した「どうぶつしょうぎ」は、発売以来累計60万個を突破するヒット商品になった。東京都出身。1980年1月21日生まれ。

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