学校での将棋授業in上海~前編~

2016年11月11日
共同通信共同通信
女流二段 北尾まどか
行儀がよく、将棋に熱心な上海の子どもたち
行儀がよく、将棋に熱心な上海の子どもたち

 香港でのアジア将棋支部対抗戦の閉会式が終わってすぐ、私は上海に飛びました。

 日本以外で将棋人口の多い国といえば、飛び抜けて中国。上海だけでも60万人以上が将棋を知っているといわれています。なぜなら、学校の授業で将棋を習うから。

 1995年に許建東さんが将棋の授業を初めて、昨年で20周年を迎えました。最初の頃に生徒だった者が今では先生となり、次の世代へ教えています。長年の積み重ねで教材や設備は充実していて、「図工室」や「音楽室」と並び「将棋室」という特別室もできました。日本ではそんな教室を目にしたことがなかったので最初はとても驚いたのですが、上海ではあちこちの学校にあって、将棋教育という面では日本は中国に随分と先を越されています。

 湯 順杰さんのチームは現在30校以上で授業をしていて、今回はその中の「万里城実験学校」に同行することになりました。学校の門をくぐると電光掲示板には「熱烈歓迎!!」の文字。校長先生にあたたかく迎えていただき、まずはお話を伺いました。

 ここは小中学生合わせて1400人の生徒が通う学校で、2013年から選択授業に将棋を取り入れたとのこと。他に音楽やロボット工作など、全52種類の課目の中から選ぶそうです。「将棋を学ぶ子どもたちは勝負の心が強くなり、そして相手を尊敬するようになった」とのことでした。

 授業は、まず座学で黒板に詰将棋を出題し、みんなで挑戦するというもの。たとえ間違っても生徒たちはどんどん発言し、その失敗を参考にしながらみんなで正解に向けて進んでいきます。そのあと図書室に移動して、8枚落ちと6枚落ちの多面指しを行いました。言葉が通じなくても盤を挟んで指し手を交わせるのが将棋の素晴らしいところ。素直で伸び伸びしている子どもたちで、直前に教えたことをしっかり覚えていました。

 これまで世界各地の学校を訪問してきましたが、中でも上海は施設がとても立派で、しかも先生も生徒もやる気にあふれていて、ひときわ教育熱心だと感じます。そこで育まれた”積極的に良い物を吸収していこう”という姿勢が、中国の底知れぬパワーとなるのでしょう。(北尾まどか)

学校での将棋授業in上海~前編~
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