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まどかと巡る世界将棋紀行

「どうぶつしょうぎ」の考案者である北尾まどか女流二段が、日本の伝統文化である将棋をもっと世界に広げるため、各国を巡ります。海外での将棋事情がよく分かる北尾女流二段のコラムです。

ベラルーシの精鋭 

2017.9.1 10:55
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ヨーロッパ選手権で優勝したタニヤンさん
ヨーロッパ選手権で優勝したタニヤンさん

 ウクライナのキエフで行われたヨーロッパ選手権の決勝戦は、ベラルーシ対決となりました。セルゲイ・コルチスキさんはベテランの将棋プレーヤーで、日本に来て将棋番組に出演したこともある実力者。一方のヴィンセント・タニヤンさんは18歳。近年、急速に力をつけてきた若手プレーヤーで、昨年のオランダ・アムステルダム大会でも決勝まで駒を進めて、その時は惜しくも準優勝でした。今年こそは、という気持ちで対局に臨んだことと思います。さらに今回の優勝者は、10月に北九州で行われる国際将棋フォーラムの世界大会に招待されることになっています。気合の入る大一番です。

 タニヤンさんがリードして迎えた終盤戦。2人をベラルーシ勢が囲み、さらにその周りに他国のプレーヤーが詰め掛けて、皆、息を潜めて見守ります。苦しそうな表情で粘り続けるセルゲイさん。大勢に注目される中、タニヤンさんは慌てず着実な攻めで勝ち切りました。その戦いぶりを見て、将棋はもちろん、精神的にも強いなと感じました。

 表彰式の後、タニヤンさんにインタビューをしました。

 ―将棋を始めたのはいつ。

 「子どもの頃からロジカルゲームに興味がありました。13歳から将棋を始めました」

 ―ベラルーシではどうやって将棋をしていますか。

 「週に2回、将棋の会があって参加しています。それ以外に自分で本を読んだり、問題を解いたり。ミンスクでは月に一度大きな大会があり、週に一度小さな大会があります」

 ―昨年のヨーロッパ選手権は準優勝でした。今大会に向けて何か特別なトレーニングをしてきましたか。

 「Hidetchiさんの動画(筆者注:youtubeで公開された英語の将棋動画) をもう一度見直しました」

 ―今回の決勝はセルゲイさんとの対決となりました。どんな気持ちでしたか。

 「彼と戦う時、勝ったらいつもうれしいですが、大会で勝てて、とてもうれしいです」

 ―これからの目標は。

 「最も大事なのは続けること。続けて成長すること。そして大きい大会に参加して勝ちたいです」

 タニヤンさんは控え目な口調で、そして素直な目で気持ちを語ってくれました。まさに、「勝っておごらず」。通訳をしてくれた寺岡郁夫さんの話では、彼はベラルーシ将棋界の期待の星ということ。これからの活躍がますます期待できそうです。

 ベラルーシの首都、ミンスクでは子どもたちの間で将棋が盛んになっています。これは素晴らしい指導者たちによる努力のたまもの。字数が尽きたので、その話は次回に。(北尾まどか)

ヨーロッパ選手権の会場
ヨーロッパ選手権の会場
他の選手たちに囲まれて決勝の大一番
他の選手たちに囲まれて決勝の大一番
優勝が決まった瞬間の握手
優勝が決まった瞬間の握手
入賞者と一緒に記念撮影
入賞者と一緒に記念撮影
北尾まどか

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