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まどかと巡る世界将棋紀行

「どうぶつしょうぎ」の考案者である北尾まどか女流二段が、日本の伝統文化である将棋をもっと世界に広げるため、各国を巡ります。海外での将棋事情がよく分かる北尾女流二段のコラムです。

ドイツのカールスルーエ将棋クラブ 

2017.9.15 11:00
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「ねこまど将棋教室」で交流会の参加者と
「ねこまど将棋教室」で交流会の参加者と

 ボードゲームが盛んなドイツでは、将棋にも関心のある方が以前から多く、各地に将棋クラブが存在しています。将棋プレーヤーの大半はチェスからの転向組で、これまで伺った幾つかの場所ではチェスクラブを会場として活動していました。

 2012年の5月、私はフランス国境に近い、ドイツ南西部のカールスルーエという都市を訪れました。電車を降りるとホームに、はかまを着た男の子たちが迎えに来ていて将棋クラブまで案内してくれました。カールスルーエ独日協会の一室では中、高校生を中心に、子どもから大人まで約20人が集まっていて、その一角に畳を敷き、きっちりと正座をした少年2人が脚付きの将棋盤で対局していました。

 主催者のモニカ・ファフさんはドイツと日本のハーフ。チェスをやっていた3人の息子さんに、ご自身が子どもの頃に使っていた将棋を見せたら兄弟みんなで遊び始め、すぐにドイツ国内の将棋大会に出掛けるようになったそうです。そして息子さんの学校で将棋部をつくり、さらに独日協会の協力を得て大人の参加できる将棋クラブを発足させ、近隣の小学校へ将棋を教えに行くようになったとのこと。「ただのゲームではなく、日本の文化として伝えたい」と、あいさつの言葉や将棋用語をなるべく日本語のままで教えていらっしゃるのが印象的でした。

 それから5年がたち、今年2月にモニカさんからメールをもらいました。三男のゲオルグ君と将棋部メンバーの計5人が高校卒業に合わせて、将棋研修として日本へ旅行に来るとのこと。メンバーのホームステイ先を探していたので、レア・コルンさんという女の子がわが家に滞在することになりました。

 8月下旬の2週間。高校を卒業したばかりの5人組は、将棋会館に行って対局室を見学し、社会人将棋団体リーグ戦に参加して将棋を堪能しつつ、浅草や京都へ観光にも出掛けていました。私の運営する「ねこまど将棋教室」では交流将棋会を行い、日本人の参加者と対局し、一緒に食事をして親睦を深めました。

 「卒業してそれぞれ違ったところに行くけれど、これからも将棋を続けてほしい」というモニカさんの思い。あの時に、はかま姿で迎えに来てくれたアティラ・チェーリック君は随分背が大きくなったけれど、変わらない笑顔で将棋を続けていてくれました。これから羽ばたいていく先にも将棋を伝え、一生の趣味としてくれることを願っています。(北尾まどか)

はかま姿で迎えに来てくれたアティラ君(左)とゲオルグ君=2012年5月
はかま姿で迎えに来てくれたアティラ君(左)とゲオルグ君=2012年5月
カールスルーエ将棋クラブで将棋レッスン=2012年5月
カールスルーエ将棋クラブで将棋レッスン=2012年5月
カールスルーエ将棋クラブの皆さんと=2012年5月
カールスルーエ将棋クラブの皆さんと=2012年5月
「ねこまど将棋教室」で対局するレアさん(左端)、モニカさん(左から2人目)
「ねこまど将棋教室」で対局するレアさん(左端)、モニカさん(左から2人目)
北尾まどか

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