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将棋の作法を伝える

2018.5.25 10:00 女流二段 北尾まどか
将棋会館の前で記念撮影するタチアナさん(右)と北尾女流二段
将棋会館の前で記念撮影するタチアナさん(右)と北尾女流二段

 

 前回のコラムに登場したベラルーシから来たタチアナ・ミリュコワさんは、リコー杯女流王座戦で1回戦敗退。緊張もあったのでしょうか、力の出せない将棋で残念でした。
 やはり日本と外国のレベルはまだまだ離れているようです。ベラルーシには大人の女性プレーヤーが10人以上いるとのこと(子どもは大勢いますが)なので、切磋琢磨して来年もチャレンジしていただきたいものです。

 さて、外国の将棋プレーヤーが日本で対局する時に必ず教えなくてはならないのが、対局時の作法です。特にインターネット中心で対局している若いプレーヤーは駒を持ったことが少ないケースもあります。

リコー杯を控え練習対局するタチアナさん
リコー杯を控え練習対局するタチアナさん

 

 タチアナさんの場合は、ミンスクに新しくできた将棋クラブ「銀冠」に行って対局をしているとのことですが、それでも日本的な細かい作法(上手が駒箱を開け「大橋流」で並べるなど)については知らかったので、予行練習という形で説明をしました。

 それから、駒を取るときの動作についても「将棋的な」指し方を教えました。チェスの場合はまず自分の駒を持って相手の駒の所まで進めて、相手の駒を取ります。つまり駒が「ぶつかる」のです。
 立体的なチェス駒では、この動作を片手でエレガントにプレーできるのですが、これを将棋でやってしまうとマスから駒がはみ出して美しくありません。

 「先に相手の駒を取って駒台に乗せてから自分の駒を動かす」という将棋ならではの指し方は、慣れるまで結構時間がかかるものです。
 ほかにもあいさつの言葉、秒読みの言葉などを伝えましたが、彼女ほど将棋が強くても、盤外のことは知らないことが多いのだなと感じました。

 タチアナさんは歴史のあるものに興味があって、将棋を友達から教わったとのこと。将棋の作法やしきたりは日本の伝統文化ならではのものですから、それも含めて「将棋道」として世界に広めることで、興味を持つ方も増えるはずです。
 今後、海外普及に行くときには、しっかり伝えてこようと思いました。(北尾まどか)

北尾まどか

名前 :北尾まどか

肩書き:女流二段

プロフィール:北尾まどか女流二段 2000年 、女流棋士2級としてプロデビュー。09年 10月から半年間、NHK将棋講座にレギュラー出演。女流プロ公式戦の対局をこなす傍ら、幼稚園、小・中学校などの教育機関での出張授業や、原稿執筆、講演など、幅広く活動している。10年に将棋普及のため、「株式会社ねこまど」を設立し、代表取締役に。「将棋をもっと楽しく 親しみやすく 世界へ」を理念に掲げ、世界中でイベント出演など将棋を通じて国際交流を行っている。多くの子どもたちに将棋を楽しんでもらおうと考案した「どうぶつしょうぎ」は、発売以来累計60万個を突破するヒット商品になった。東京都出身。1980年1月21日生まれ。

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