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世界で将棋人口急増の兆し

2018.4.27 10:00 女流二段 北尾まどか
ドイツでのイベントブースで囲碁店の人たちと
ドイツでのイベントブースで囲碁店の人たちと

 

 今年に入って世界的な将棋ブームが来ています。

 私の運営している株式会社「ねこまど」では、将棋用具を海外の方向けに販売しているのですが、今年に入って発送量が急増しています。

 

 これまでの私の普及活動は「世界で将棋の認知度を上げる」ことに重きを置いてきました。ゲームフェアや日本文化フェスティバルへの出展、公共機関でのイベント開催などです。

オランダのボードゲーム店には日本の将棋と囲碁の年鑑が並んでいる
オランダのボードゲーム店には日本の将棋と囲碁の年鑑が並んでいる

 

 これらの場所で将棋を知った人が将棋を続けていくためには道具が必要ですから、ブースでは将棋盤と駒を販売、公共機関でのイベントでは各所への寄贈を行ってきました。

 

 次のステップとしては、将棋に関する知識が必要です。自分で書いた本を英訳出版し、各地に持って行きました。

 しかし私が直接できるのは、その場にいる時だけで、きっかけづくりに過ぎません。現地の方が継続して活動してくださることと、そこで興味を持ってくださった方が将棋用具や本を手に入れるために、そうしたものを取り扱う店舗があることが重要です。

 

 将棋のルールはインターネットで調べられますし、道具がなくてもオンライン対局ができるのはとても有効なことですが、やはり実物の盤や駒で人から人へと伝えていくのが着実な方法です。

 この両方がそろっていることが広まり、定着するのに大切なことでしょう。

フランスの「Konjaku」の店頭
フランスの「Konjaku」の店頭

 

 

 前回のコラムで取り上げた台湾は、最も勢いよく販売数が伸びています。アニメ「りゅうおうのおしごと!」のブームが大きく影響していることが、現地の方への取材で分かりました。

 他にはドイツ、オランダ、フランス、アメリカが多くなっています。ドイツは「Hebsacker Verlag」という囲碁店、オランダはチェスをはじめとするゲーム全般を扱う「Schaakwinkl Het Paard」というボードゲームショップ、フランスは日本の文化的なものを扱うセレクトショップ「Konjaku(今昔)」、アメリカは「AncientChess.com」で将棋をお取り扱いいただいています。

 

 これまでは「将棋以外の目的で訪れた方が将棋を目にする良い機会」と展示していただくことを喜んでいたのですが、今年に入って各地から立て続けに注文が来ています。

 間違いなく将棋の需要が上がっており、すなわち将棋プレーヤーが急増していると確信しました。

 

フランスの「Konjaku」で
フランスの「Konjaku」で

 

 地道な活動を続け、緩やかな広まりを感じてきましたが、この加速の火種となったものは何なのか。考えられる要因としては将棋の出てくるアニメ、日本の将棋ブームの波及、女流棋士カロリーナの活躍が挙げられます。

 これから各地を回って情報を集め、さらに普及拡大を促進させていきたいと思っています。(北尾まどか)

北尾まどか

名前 :北尾まどか

肩書き:女流二段

プロフィール:北尾まどか女流二段 2000年 、女流棋士2級としてプロデビュー。09年 10月から半年間、NHK将棋講座にレギュラー出演。女流プロ公式戦の対局をこなす傍ら、幼稚園、小・中学校などの教育機関での出張授業や、原稿執筆、講演など、幅広く活動している。10年に将棋普及のため、「株式会社ねこまど」を設立し、代表取締役に。「将棋をもっと楽しく 親しみやすく 世界へ」を理念に掲げ、世界中でイベント出演など将棋を通じて国際交流を行っている。多くの子どもたちに将棋を楽しんでもらおうと考案した「どうぶつしょうぎ」は、発売以来累計60万個を突破するヒット商品になった。東京都出身。1980年1月21日生まれ。

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