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47リポーターズ

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「複合不信」か「絶対虚無」か

2012.4.4 15:25 共同通信

▽「複合不信」か「絶対虚無」か

 前にも書いたように、私は経済のことがよく分からない。いま、野田首相が「命を懸ける」という消費税増税も、何が核心であり、どこが問題なのか、はっきりつかめない。

 「社会福祉と税の一体改革」というが、そもそも大蔵省(現財務省)は、使途を限定した税に一貫して反対していたのではなかったか。また、共産党などは「消費税増税よりも法人税の引き上げを」と主張する。経団連などは「日本の法人税はヨーロッパなどと比べて高く、企業の海外流出の元凶」と反論する。どちらが正しいのか―。

 いろいろ疑問がある中で、これだけはいえると思うのは、本当にキチンと社会保障に使われることが保証されるならば、国民の多くは消費税増税に反対しないだろうということだ。要するに、問題は、国民にとって「いまの政府が信頼できるかどうか」だ。

 われわれ団塊の世代を含め、一定年齢以上の人たちにとって、社会保障は身近で切実な問題だ。日本の現状を考えれば、北欧並みはムリでも、もっと高福祉の方向に社会を変えていくべきだと考える人が多いだろう。それに対して、自分の年金に絶望している若い世代は、はるかに冷ややかだ。そこにも深い世代間ギャップがあるが、政治はほとんどなんの手も打たない。

 いま民主党政権が消費税増税をごり押しする。実は、自民党の大勢もそれに反対ではない。選挙をにらんだ政争があるだけだ。その中で、国民の多くにとって「政治不信」はとっくに過去の言葉だ。根底には、政治・経済・社会など、この国の根幹に対する深い不信感・絶望感がある。そうした状況で「社会保障と税の一体改革」というお題目がどれだけ信じられるのだろうか。「首相の言う理屈は分かるが、本当に何にどう使われるか分からない」。それが本音ではないか。だから、自分の生活に直結する問題なのに、どこか空しく「ひとごとのよう」だ。そうした「複合不信」「絶対虚無」とでもいったものをどうするのか。消費税増税よりも先に、政治が向き合うべき課題だと思う。(2012年4月4日 47NEWS編集部 小池新)

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