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47リポーターズ

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ゴールデンシャワー巡るトランプ氏とコミー氏の会話

2017.6.8 13:24 共同通信
5月3日、米上院司法委員会の公聴会で証言したコミー前長官(ロイター=共同)
5月3日、米上院司法委員会の公聴会で証言したコミー前長官(ロイター=共同)

 「後ろめたい」という言葉がある。時に人は、後ろめたい事実を隠すため、聞かれてもいない、言わずもがなのことを言ってしまうことがある。特に自分に特定の疑惑がかけられ、その疑惑を捜査している捜査官と話さなければならない場合はなおさらだろう。さて、現在ロシアゲート疑惑の渦中にいるトランプ米大統領の場合はどうなのだろうか。

 トランプ氏に任期途中で解任された連邦捜査局(FBI)のコミー前長官はロシアによる米大統領選干渉へのトランプ陣営の関与、いわゆるロシアゲート疑惑などについて8日、上院情報特別委員会公聴会で証言する。これに先立ち、同委員会は7日、コミー氏が公聴会で読み上げる声明を発表。声明はコミー氏がトランプ氏への電話での会話や、直接会った後に書き記したメモを基に構成されているが、米誌ニューズウイーク電子版などによると、大統領からから繰り返し「忠誠」を求められたことなどを明らかにしたほか、大統領が「ゴールデンシャワー」疑惑について否定し、コミー氏に対し疑惑は事実無根だと証明するよう要請したとの証言も含まれていた。

 ここで、ゴールデンシャワー疑惑についておさらいしたい。同疑惑は一時モスクワで勤務していた英国の元情報機関員が作成した資料を基にしたもので、トランプ氏が大統領就任前の2013年にモスクワのホテルに宿泊した際の行状がロシアの情報機関によりビデオ撮影されていたという内容だ。宿泊場所は高級ホテル、ザ・リッツ・カールトンのスイートルームで、同部屋にかつてモスクワを訪問したオバマ前大統領夫妻が宿泊したことを知ったトランプ氏が、複数の売春婦を呼び、ベッドの上で放尿(ゴールデンシャワー)させたという。〝政敵〟オバマ氏への腹いせのためとされている。

 こうした情報は、米情報当局が大統領就任が決まっていたトランプ氏やオバマ前大統領に報告。ロシア情報機関がトランプ氏のダメージとなり得る私生活や財務に関する情報をつかんでいると警告した。ロシア当局によるビデオ撮影は、ロシアが将来的にトランプ氏を脅迫するための「コンプロマット(中傷情報)」収集の一環とされている。

 話をコミー氏のメモに戻すと、トランプ大統領は3月30日にコミー氏に電話をかけ、「ロシアとは何の関係もない。ロシアの売春婦とは何の関与もない。ロシアにいるときは、(自分の会話などが)録音されることは当然のことだと知っている」とした上で、コミー氏に「疑惑がなかったことを証明するために、捜査するよう」求めた。これに対し、コミー氏はゴールデンシャワー疑惑の調査は逆に、トランプ氏が捜査対象となっているとの誤った印象を世論に与えかねないとして、慎重に対処すべきだと答えた。

 トランプ氏は1月11日の大統領選勝利後初めての記者会見で、「私は本当の潔癖症なのだ」として、ベッドに放尿させるようなことはしないと疑惑を否定。ニュースソースである元情報機関員の資料の信憑性に疑問符がついたこともあって、しばらく立ち消えとなっていたが、それから2カ月以上もたった時点で、なおコミー氏に自らの潔癖を証明するよう求めたのはなぜなのか。後ろめたいことがあったのか、あるいは自らへの疑惑を完全なまでに晴らしたかったのか、トランプ氏に直接問いたい気がする (47NEWS編集部 太田清)

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