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47リポーターズ

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「性差別」たたかれたニコン

2017.9.19 12:32 共同通信
PRイベントに参加した写真家ら=ニコン・シンガポールのサイトから
PRイベントに参加した写真家ら=ニコン・シンガポールのサイトから

 会社創立100周年を記念した最新型デジタル一眼レフカメラ「D850」を発売したカメラ大手ニコンが、世界のプロ写真家を日本に集め、新機種を試してもらおうと企画。32人が東京都の本社を訪れ、その高性能ぶりをPRした。ここまでは良かったが、その後、思わぬ事からこっぴどく批判されることに。写真家が全員、男性だったからだ。

 「D850は男性専門のカメラか」と皮肉るブロガーも現れたほか、CNNやニューヨーク・タイムズなど欧米のメディアも大きく報道。ニコンは「配慮が足りなかった」と平謝りだが、欧米社会のジェンダー問題に対する敏感さと、逆に日本企業の鈍感さを如実に表す結果となった。

 ニコンによると、アジア地域を統括するニコン・シンガポールが企画したPRイベントで、9月11~14日までアジア、中東、アフリカのプロ写真家32人を日本に招いた。結果的に全員男性となったのは故意ではなく、女性の写真家も招待したものの、本人たちの都合が悪くイベントに参加できなかったというのがニコンの言い分だ。

 ニコンがサイトでイベントをPRしたことで、女性がいないことに気付いた写真家のブロガーが批判。その後も会員制交流サイト(SNS)の世界で「女性用D850を出したら? ピンクのやつかな」「女性がいないなんてがっかりした」などの辛辣なコメントが相次いだ。ニコン側はツイッターで事情を説明した上で「この分野(ジェンダー問題)に十分な注意を払っていなかったことを認めます」と謝罪した。

 欧米メディアはさらに、2016年3月時点で、ニコンの従業員のうち女性が占める割合は10・6%にすぎず、管理職に至っては4・7%しかいないと指摘。今回のPRイベントに限らず、ニコンが女性の社会的役割を軽視しているとの印象を醸し出した。

 日本人である筆者から見れば、男性だけを起用しようとする意図はニコンには全くなかっただろうし、正直、たまたま写真家が全員男性だったとしてもそれほど違和感はなかったのだが、これが「鈍感さ」という事なのだろう。こうした問題にうるさい欧米社会では受け入れられないし、ニコンが配慮すべきだったことは言うまでもない。思い起こせば、1998年に米国三菱自動車製造がイリノイ工場でのセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)訴訟で米雇用機会均等委員会(EEOC)と和解し、約3400万ドル(当時のレートで約49億円)の補償金を支払うことになったケースもあった。セクハラ訴訟史上での最高額だった。職場でセクハラの訴えがあったにもかかわらず、上級幹部は有効な防止策を取らなかったという。  (47NEWS編集部 太田清)

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