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47リポーターズ

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【発言】「世界一」Tリーグ、日本を元気に 松下浩二チェアマン

2018.10.24 17:00 共同通信

 卓球の「Tリーグ」が24日、開幕。「世界一」を標榜し、2020年東京五輪に向けた強化にもつながるという。野心的な挑戦に成算はあるのか。現役時代はドイツなどの海外プロリーグで活躍、Tリーグ設立には構想段階から関わった松下浩二理事長(チェアマン)=51=に聞いた。(共同通信=松村圭)

 ▽質の高さ

 Tリーグは男女各4チームによる団体戦で、シーズンは10月~翌年3月。ポイントは、各チームに過去2シーズンに世界ランキング10位以内に入った選手の所属を義務づけたことだ。水谷隼、張本智和、石川佳純といった日本勢のほかアジア、欧州から選手が参戦する。

 「どれだけ強い選手を集められるか。それが成功のための最大の鍵。最新の世界ランク50位以内のうち男子は15人、女子は12人が入った。レベルと、国・地域の多様性の点では、『世界一』と言えると思う」

 「収益や集客など採算面からもリーグの質の高さは欠かせない。初年度は、1試合平均2千人の観客が目標。2シーズン目以降は、10%ずつ増やしていきたい」

 ―東京五輪への効果は。

 「選手強化のためには、日本卓球協会のナショナルチームがある。しかし、それだけではカバーできない。実際、日本のトップ選手の目も海外リーグに向いていたが、これからはTリーグで強い選手と新しい技や戦術を磨くことができる」

 ▽社会への貢献

 ―リーグ設立のきっかけは、水谷や福原愛選手がいて期待された08年北京五輪で、日本がメダルなしに終わったこと。当時の大林剛郎・日本協会会長が「継続的にメダルをとるためにはプロリーグが必要」と提言した。

 「10年3月に最初の検討チームが立ち上がり、ぼくもメンバーになった。ただ、そこからは壁の連続。卓球界側は『お金を出すところが確保できないと決められない』というが、支援をお願いする企業側は『決まってから来てください』。ぼくはその間で板挟みだった」

 ―日本協会がリーグ構想を承認したのは16年12月。決め手は何だったのか。

 「選手の競技力を上げることに加え、子供たちに夢を与え、人々の健康増進に資する。そういうふうに、卓球が社会貢献できる仕組みを作るべきで、そのためにTリーグが必要と訴えた。できるできないではなく、やらなければならない、というふうに話を持って行き賛同を得た」

 ▽生きる情熱

 バックボーンは海外リーグでの経験。最初は明大4年だった1989年に約半年間、スウェーデンのプロチームに留学した。空港には五輪メダリストのチームメートが高級スポーツカーで迎えに来ていた。

 「実は大学3年の時は卓球に冷めていた。当時はプロというイメージもなく、卒業後は仕事だと考えていた。卓球なんて続けてもその後の人生のプラスにならないとすら感じていた」

 「スウェーデンでは、卓球のプロでお金が稼げるということを初めて知った。一方、選手たちはラケット一本に人生を懸けていて、練習は殺気立つほど真剣だった。高校時代の恩師には『卓球バカは駄目。文武両道』と教わったが、一つのことに情熱を注ぐ生き方も素晴らしいと思った」

 ―実業団でのプレーを経て、97年に当時世界最高峰と言われたドイツのプロリーグに渡った。

 「競技力アップのために日本にもプロリーグが必要だと選手の立場で考えていた。そこでリーグやクラブの仕組みや運営を勉強しようとドイツに行った。その後、比較のためにフランスと中国のリーグでもプレーした」

 ▽将来へのビジョン

 ―Tリーグ設立で最も参考にしたのは1部から16部までが存在するというドイツ。

 「卓球をしているすべての人を一つのピラミッドに組み込んで、トップ選手から愛好家までそれぞれ目的に合ったレベルでプレーしてもらう。それが将来に向けたビジョン。世界に誇れるようなリーグに育て、日本を元気にしたい」

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 松下浩二氏 1993年に日本初のプロ選手となり、ドイツなど海外のプロリーグでもプレー。全日本選手権男子シングルスを4度制覇。五輪は92年バルセロナから4大会連続で出場した。2017年Tリーグ専務理事、18年7月チェアマンに就任。51歳。

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