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47リポーターズ

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【世界の街から】往来は自由、なぜ検問所? ドイツ・バイエルン

2018.10.24 16:00 共同通信

 9月下旬、オーストリア・ザルツブルクからドイツ・ミュンヘンへ通じる高速道。記者仲間らと一緒にアルプスに向かって走る快適なドライブを楽しんでいたが、ドイツ国境の手前2キロで渋滞に出くわした。ドイツ側に国境検問所があるためだ。

 欧州26カ国は国境検査を廃止し、往来を自由化する協定を結んでいる。だが、治安に深刻な懸念がある場合は検査可能との規定があることを盾に、2015年の欧州難民危機後、ミュンヘンを州都とするバイエルン州は検問所を維持している。

 実際には車線を狭めて徐行させ、警官が立っている所を通るだけ。身分証提示も求めない。

 「日本人(筆者)とフランス人とスペイン人が乗っているスロバキアナンバーのレンタカー。十分あやしい。なぜ止めないのか」。スペイン人の男性がハンドルを握りながら笑った。

 この高速道は100万人もの移民、難民がシリアなどからドイツに押し寄せた15年、主要入国ルートの一つだったが、難民らの数は危機以前に戻った。並行する一般道に警官の姿はない。何のための検問所なのだろう。

 「不法移民から国民を守る姿勢を示す政治的ポーズ」。車内はこんな見方で一致した。昨年のドイツ連邦議会選では、難民に寛容なメルケル首相の与党は反移民政党に支持を奪われている。

 バイエルン州の村で車を降りると、州議会選の候補者ポスターが並んでいた。10月に投開票が行われ、与党は歴史的な大敗を喫した。来年5月には欧州連合(EU)欧州議会選。政治の季節は続く。(共同通信=ブリュッセル支局・小熊宏尚)

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