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【辺野古から】反対運動に沈滞ムード 稲嶺前市長「諦めないで」

2018.3.7 16:01 共同通信

 3月3日、沖縄県名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前。名護市長選で米軍普天間飛行場(宜野湾市)の辺野古移設反対を訴えて敗れた前市長の稲嶺進(いなみね・すすむ)氏(72)が演説に立った。「まだまだ諦める必要はありません」。稲嶺氏の励ましは、反対運動に沈滞ムードが漂う現状を表している。

 名護市長選から4日で1カ月。辺野古移設に反対する政党や市民団体でつくる「オール沖縄会議」は3日、毎月第1土曜日に催している集会を開いた。共同代表でもある稲嶺氏は市長選翌日以来の辺野古での演説。市長選について「皆さんの期待に応えられず、申し訳ない」と謝った上で「運動を続けることで(移設を)止めることができる。これからも続けよう」と呼び掛けた。

 集会に駆け付けた安次嶺美代子(あしみね・みよこ)さん(71)は普天間飛行場の近くに住む。米軍機の騒音に悩まされる日々。それでも辺野古移設には反対だ。「市長選に負けたからといって落胆して政府のいいなりになったら思うつぼ。絶対に基地は造らせない」と決意を示した。

 だが、市長選で敗れたショックが尾を引いているのは間違いない。この日の参加者は約300人。節目の集会としては必ずしも多くない。共同代表の高里鈴代(たかざと・すずよ)さん(77)は「動員をかけても人が集まらなくなってきた」と指摘する。

 以前は特別な集会がない日でも200人以上がゲート前に集まることもあったが、最近では50人程度だという。原因は市長選の敗北だけではないようだ。普段から参加している名護市の大城康弘(おおしろ・やすひろ)さん(66)は「市長選の前から、もう工事を止められないと思って抗議に来なくなった人もいる」と話した。

 政府は移設に向けて埋め立て用の護岸工事を着々と進める。ゲート前では沖縄県警機動隊が、背を高くした鉄柵を用意。移設に抗議して座り込む人たちを次々に強制排除し、逃げられないように鉄柵で閉じ込めるようになった。

 沖縄県今帰仁村に実家がある高知大4年の藤原奈穂(ふじわら・なお)さん(22)は2月28日に辺野古で座り込み、機動隊員に排除された。「なぜ孫の代まで基地を背負わなければいけないのか」。涙ながらに訴えた。(共同通信・那覇支局=吉田尚弘)

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