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自由で開放的な閉会式 1964年10月24日 「再現日録 東京五輪の10月」(24)

2020.10.24 8:00 共同通信
1964年10月24日、閉会式では福井誠旗手が肩車され、各国選手団が入り乱れて歩き始めた
1964年10月24日、閉会式では福井誠旗手が肩車され、各国選手団が入り乱れて歩き始めた

 

 東京五輪の閉会式が24日、国立競技場で開かれ、平和の祭典の幕が閉じた。華やかで整然とした開会式と対照的に、夕闇の閉会式は規律に縛られない自由で開放的なセレモニーになった。

 各国選手団の行進が感動を呼んだ。まず各国の旗手だけが入場。最後尾の日本の前に、24日独立したアフリカのザンビア(旧英国領北ローデシア)が新たな国旗を手に行進した。旗手の後ろからは各国選手団が入り乱れて続き、ニュージーランド選手が日本の福井誠(ふくい・まこと)旗手を肩車して歩き始める。ザンビアなど各国旗手も集団に次々のまれた。

 政治体制や肌の色、宗教、性別、勝者と敗者、国境―。さまざまな違いを超え、肩を組み、おどけ、笑い合う選手たち。閉会式は「世界は一つ」の感慨を抱かせた。

 電光掲示板に「SAYONARA」の文字が浮かんだ。15日間燃え続けた聖火が消え、東京五輪は終わった。米国が金メダル36個を奪って首位。ソ連に続いて日本は金16個で3位に躍進した。

 国際オリンピック委員会のブランデージ会長は「東京大会は五輪の模範となり五輪運動の幸福な将来を予言する」と最大級の賛辞を述べた。

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 ソ連の首相辞任や中国核実験など大会中に世界は揺れた。政治は五輪に配慮しない。利用する。この日北海道からは初雪の便りが届いた。(国名や組織・団体名、競技名、肩書などは当時の呼称に従っています。 共同通信=小沢剛)

 

1964年10月24日、閉会式に新国旗で入場するザンビア代表
1964年10月24日、閉会式に新国旗で入場するザンビア代表