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月夜の死闘、9時間余 1964年10月17日 「再現日録 東京五輪の10月」(17)

2020.10.17 8:00 共同通信
 1964年10月17日、国立競技場で9時間余りも続いた陸上棒高跳びの激闘。夜間照明の下で米国のハンセン選手が5㍍10を跳び優勝した
 1964年10月17日、国立競技場で9時間余りも続いた陸上棒高跳びの激闘。夜間照明の下で米国のハンセン選手が5㍍10を跳び優勝した

 

 東京五輪の陸上棒高跳びが17日、国立競技場で行われ、米国のハンセン選手が統一ドイツのラインハルト選手を退け、同種目で一度も負けのない米国の伝統を守り抜いた。午後1時に始まった競技は9時間を超す「月夜の死闘」で決着、歴史に残る名勝負となった。

 「魔法のつえ」グラスファイバー製ポールが登場して記録が格段にアップした。だが5メートルあたりから脱落が続き、5メートル10に挑んだのは2人だけ。

 ともに2回失敗し、最後の3回目。ハンセン選手は前の5メートル5をパスしていたため、失敗すると5メートル5に成功していたラインハルト選手に栄冠が渡る。追い詰められた中「メイン・ポールに米国旗を」と強い意志を固めた23歳の歯科医師の卵は見事クリア。続くラインハルト選手が3回目を失敗した時、時計の針は午後10時を回っていた。

 五輪も後半に入り、競技を終えた選手が17日、羽田空港から帰国を始めた。金メダルを獲得したデンマーク選手はタイで休暇のご褒美という。

 国際交流は競技だけではない。日本を含む24カ国1千人余りが集う世界青少年キャンプが17日、東京都内で「盆踊り」を実施し、世界の青年が親善ムードを楽しんだ。

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 台風と冷たい秋雨の影響で野菜が高騰。東京都内では前年比4~10倍となった。台所に天候不順の影が忍び寄る。(国名や組織・団体名、競技名、肩書などは当時の呼称に従っています。 共同通信=小沢剛)