メニュー 閉じる メニュー
47リポーターズ

47リポーターズ

日本国内での将棋普及活動~前編~

2019.7.19 12:02 女流二段 北尾まどか
上町児童館子ども大会での対局風景
上町児童館子ども大会での対局風景

 

 世界の将棋事情を語るにあたり、たまには日本のことも取り上げてみたい。

 私はずっと“世界中に将棋を広めたい”と願っている。そして、そのためにも国内でもっともっと将棋を普及させたい。そして湧き上がったエネルギーが、世界へと流れていくように。

 これまで北海道から沖縄まで全国を巡って将棋を教えてきた。中でも紀伊國屋書店さんには長年お世話になっていて、各地の店舗で「どうぶつしょうぎ」の体験会を開催していただいている。

将棋イベントでどうぶつしょうぎ
将棋イベントでどうぶつしょうぎ

 最も忙しかった2011年5月の連休あたりは、毎日飛行機に乗って移動し、午前と午後に別の場所でイベントを行っていた。

 年間100カ所以上で講座を開き、来場者の延べ人数は5000人を優に超えたはずだ。

 とはいえ、時間的な制約があり一人が教えられる人数には限度がある。将棋の道具を抱えて一人で移動しながら「将棋を一緒に広める同志を集めなくては…」と痛感した。

 その経験を基に講座の定番の形を作り、スタッフやインストラクターを育て、今では私以外の講師が同じように教えられるようになった。

 最近では商業施設でイベントを行うことが増えてきたが、学校や幼稚園などの教育機関や児童館など公共施設で教える機会があれば積極的に出向く。

 私は東京都世田谷区の小学校出身なので、毎年夏の時期には区内の小学校に設置された学童クラブを巡って、子どもたちに将棋に触れてもらう機会を作っている。

 7月中旬に伺った太子堂小学校では、6年生の女の子が「1年生のときからずっと優勝してるの!」と「どうぶつしょうぎ」で連勝を続け、今年も優勝者に与えられるライオンバッジを獲得していた。

 この会では将棋と「どうぶつしょうぎ」の対局を同じ空間で行い、参加者はどちらを選んでもいい。

 「どうぶつしょうぎ」しかできなかった子が将棋に興味を持つきっかけになり、駒の動きがあやふやでも周りに教えてもらいながら将棋にチャレンジする子がいる。

 こちらは機会を与えるだけ、子どもたちの好奇心に任せて少しずつ移行していくのが狙いだ。

大会の合間に将棋の講座
大会の合間に将棋の講座

 先日は上町児童館で10回目となる子ども将棋大会があった。毎年6月の定例開催で、近隣の6カ所の児童館から参加者を募集して、合同で行う大会である。

 60人ほどの子どもたちが参加し、児童館職員の方をはじめ、保護者の方々が協力してくださって、真剣かつにぎやかで楽しい大会となった。

 池尻児童館では「トライ・ザ・将棋 夏の陣」「冬の陣」という大会が年2回開かれており、毎回楽しみにしてくれている子どもたちがいる。

 定期開催の大会では、前回より一回り成長した子どもたちに再会できるのがとても楽しみだ。

 兄弟やお友達を連れてきてくれる子もいて、少しずつ大会の参加人数も増えている。こうした地域の将棋大会をさらに増やし、各地で定着させていきたい。(北尾まどか)

将棋とどうぶつしょうぎを同じ空間で
将棋とどうぶつしょうぎを同じ空間で

 

北尾まどか

名前 :北尾まどか

肩書き:女流二段

プロフィール:北尾まどか女流二段 2000年 、女流棋士2級としてプロデビュー。09年 10月から半年間、NHK将棋講座にレギュラー出演。女流プロ公式戦の対局をこなす傍ら、幼稚園、小・中学校などの教育機関での出張授業や、原稿執筆、講演など、幅広く活動している。10年に将棋普及のため、「株式会社ねこまど」を設立し、代表取締役に。「将棋をもっと楽しく 親しみやすく 世界へ」を理念に掲げ、世界中でイベント出演など将棋を通じて国際交流を行っている。多くの子どもたちに将棋を楽しんでもらおうと考案した「どうぶつしょうぎ」は、発売以来累計60万個を突破するヒット商品になった。東京都出身。1980年1月21日生まれ。

関連記事 一覧へ