メニュー 閉じる メニュー

【4222】加茂五葉 普通酒 カップ(かもいつは)【岡山県】

2020.5.10 15:31
岡山県津山市 多胡本家酒造場
岡山県津山市 多胡本家酒造場

【A居酒屋にて 全11回の⑥】

 4~5カ月に1回、ほぼ定期的に開いている、オタマジャクシと美女軍団との飲み会。オタマジャクシは、カエルのわたくしより年下なのでオタマジャクシを自称している。会場のA居酒屋はなんと、2日後に店を閉めるんだそうな。びっくり仰天だ。オーナーのNさんには、わたくしにとってのさまざまな“初蔵酒”を用意してもらった。長年のご労苦に感謝、感謝、だ。Nさんは新しい店を開く気満々。いつになるのか。楽しみだ。そして、また“初蔵酒”を用意していただきたい。

「栄光冨士」「七歩蛇」「忠臣蔵」「千利休」「嶺乃誉」に続いて6番目にいただいたのは、「加茂五葉 普通酒 カップ」だった。これも、「七歩蛇」「忠臣蔵」「千利休」「嶺乃誉」に続いて、わたくしにとっての初蔵酒だ。ゲットしてくれたオーナーのNさんに感謝、感謝、だ。さて、いただいてみる。

 オタマジャクシ「甘みがあり、バランスのとれた酒だ」
 うっちー「けっこう酸がある」
 酒蛙「若干、クラシカル香味あり。辛みが味の主体。酸は適度。甘みもすこし感じられる。淡麗系」
 女性日本酒ライターSさん「膨らみなく、コンパクト」
 酒蛙「普通酒としては、けっこう出来が良い酒だ」
 女性日本酒ライターSさん「そうそう」

 カップに印字されているスペックは「原材料 米・米麹・醸造アルコール、原料米 すべて国産、アルコール分15.0度以上16.0度未満」。

 酒名「加茂五葉」の由来について、日本の名酒事典は「創業時に植えられていて、今も緑をたたえる樹齢300年の五葉の松と、近くを流れる清流、加茂川にちなんで命名された」と説明している。

 この飲み会が終わってからほどなく、驚くべきニュースが友人からもたらされた。この酒を醸している蔵が自己破産を申請した、というのだ。

 帝国データバンクのウェブニュースによると、多胡本家酒造場は、1680年代(寛文年間)に創業(【酒蛙注】1680年代の元号は、延宝、天和、貞享、元禄)。老舗の清酒メーカーで、1960年代から70年代にかけてテレビ放映された「酒は断然、加茂五葉ですね」と将棋の大山康晴名人(当時)が語るCMで岡山県の地酒として抜群の知名度を誇っていた。しかし、日本酒業界を取り巻く環境の悪化などで次第に経営が苦しくなり、ついに事業の継続を断念。2020年3月3日、自己破産を申請した、という。

 その後、2020年3月28日付で、蔵のホームページに「事業継続」を発表した。その内容を以下に転載する。

「合資会社多胡本家酒造場は、資金繰りに窮し、やむなく事業継続を断念、2020年3月3日に岡山地方裁判所津山支部に対して破産処理を申請しました。
 しかしながら『県北・津山の地で300年以上続く酒造りの伝統を絶やしてはならない』と強い志を持ち立ち上がって頂いた地元の皆様から力強いご支援を頂くこととなりました。
 また多数のお取引先、ご愛飲家の方々から惜しむ声を頂戴し、加茂五葉ブランドが愛されていることを痛感いたしました。 皆様の熱く温かいお気持ちを支えに、加茂五葉を絶やしてはならないという思いをより一層強くし、事業の再建を決意し、破産申請を取り下げました。
 皆様には多大なるご迷惑とご心配をお掛けしておりますこと謹んでお詫び申し上げます。
 今後は事業の再建及び信頼回復に向け、全社一丸となって全力を尽くして取り組んで行く覚悟でございます。
 加茂五葉の酒は、津山の豊かな水とお米と職人の技によって生み出されるものであり、この場所でしかつくれないかけがえのないものであると思います。いつかこの地域に貢献できることを目標に誠心誠意励んでまいります。
 勝手なお願いではございますが、どうか今後とも変わらぬご支援ご指導賜りますようお願い申し上げます。

合資会社多胡本家酒造場
代表社員 多胡恵美」

関連記事 一覧へ