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EU、中国紙が検閲と抗議 コロナ感染拡大巡る寄稿で

2020.5.8 22:42 共同通信

 【ブリュッセル共同】在中国の欧州連合(EU)代表部は8日、27加盟国の駐中国大使との連名で人民日報と英字紙チャイナ・デーリーに送った中国EU関係を巡る寄稿が検閲を受け、人民日報に掲載されず「強く遺憾に思う」と抗議する声明を発表した。

 英字紙では6日の電子版に掲載されたが、新型コロナウイルスが中国から世界に広がったとする文章が削除されたという。ただ、中国外務省が当該部分の削除を掲載条件としたことをEUは受け入れており、EUの弱腰ぶりも批判されている。

 寄稿は「世界的危機の中、EU中国関係は極めて重要」と題し、コロナ危機後の世界経済回復のため、双方は投資や貿易を拡大する必要があるなどと論じた。しかし「(感染爆発が)中国で起きた後、過去3カ月で世界に広がった」との部分が削られた。

 代表部は中国外務省に異を唱えたが「この文言がなくても重要なメッセージは読者に伝わる」と判断し条件を受け入れたと声明で説明した。

 しかし、EU欧州委員会の7日の記者会見では「EUの基本的価値観より、対中関係を重視するのか」などと対応を疑問視する声が報道陣から相次ぎ、欧州委報道官は釈明に追われた。

 EUでは4月、新型コロナ感染拡大に絡み、中国当局が世界中で偽情報を広めているとの報告が発表直前で差し止められ、中国の圧力を受けて表現を修正したとの疑惑も浮上している。