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断食月のエジプトで感染拡大 「コロナと共存」と割り切り

2020.5.7 17:36 共同通信

エジプトの首都カイロで、外出禁止の時間帯に商店の前に集まる人々=5日(ロイター=共同)
エジプトの首都カイロで、外出禁止の時間帯に商店の前に集まる人々=5日(ロイター=共同)

 【カイロ共同】人口約1億人のエジプトで、イスラム教のラマダン(断食月)に伴い新型コロナウイルスの感染が拡大している。日没後に親族や友人と断食明けの食事を楽しむラマダンの慣習が、市民間の濃密な接触の“元凶”。経済を優先する当局は「コロナと共に生きる」と主張して感染防止策を徹底せず、一定の被害拡大は仕方ないと割り切っているようだ。

 エジプトの感染者数は連日のように上昇し、公表感染者は6日までに7200人超。当局は夜間外出禁止の時間帯を短縮して経済活動の再開を進め、ザイード保健・人口相は「コロナと共存する」と強調する。

 約3千万人の貧困層を抱えるエジプトは財政基盤が弱く、日本や欧米のように巨額の給付金で国民を支えることは困難。感染防止を優先して経済を停止させることはできないという事情がある。

 4月下旬のラマダン入り後、市場は活況を呈し混雑が続いている。首都カイロの親族宅で連日食事をするウンム・ファハドさん(25)は「親族に寂しい思いをさせたくない。神が守ってくれる」と話した。5人の友人と通りで談笑していたアハマド・ハリドさん(25)は、集まる理由を「暇だから」と説明した。

 エジプトの救急や医療体制は脆弱で、公表死者約450人のうち6割は病院到着前か、到着後数日で死亡した。危機感を強める感染症専門家アムガド・ハダド氏は地元紙に「人混みで感染が拡大するのは明らかだ。多くの人は自分に症状が出ていないので、コロナとは無関係だと信じている」と指摘した。