(539)わからないことだらけ サンゴノフトヒモ
2020年05月04日


右側のダーリアイソギンチャクには関心がなさそうだ
ソーセージのフランクフルトのように太くて長い。オレンジ色と黄色がまじったような色だ。アクアワールド茨城県大洗水族館のサンゴノフトヒモ。「日本でここだけ!」と書いてある。
水槽をしばらく見ていたけれど動かない。ほんとに生きているのかなと思ったら、そばのモニター画面ですごい映像を流していた。
片方のはしを口のように開いて、イソギンチャクを丸のみしている。「世界初の映像です」と担当の徳永幸太郎(とくながこうたろう)さん。
サンゴノフトヒモは軟体動物で貝の仲間。深い海の底にいるので、わからないことだらけだ。
イソギンチャクの仲間を食べることは知られていたが「どんなふうに食べるのか、わかっていませんでした」。
そこで閉館後にカメラを向け、水槽にイソギンチャクを入れた。動きがとてもおそいので、30秒に1回シャッターを切った。何十日もやってみて、ちょうど食べている場面をつなげたのが、映されている動画だ。
となりにダリアの花のようなダーリアイソギンチャクがいる。夜になったら食べられちゃうのかな。「ダーリアイソギンチャクは食べない。かなり好ききらいがあるんだと思います」。それが何によるのかもわからない。
「飼育する中でなぞをといていきたい」(文・写真、佐々木央)=2018年9月配信