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21年から17試合制、20年POは計14チーム NFL新労使協約が成立

2020.3.17 11:30 生沢 浩 いけざわ・ひろし
NFL選手会のエグゼクティブディレクター、デモーリス・スミス氏(AP=共同)
NFL選手会のエグゼクティブディレクター、デモーリス・スミス氏(AP=共同)

 

 NFLと選手の間で協議が続いていた新規の労使協約(CBA)が成立した。新CBAは一部内容を除いて2020年度シーズンから適用され、2030年まで有効とされる。

 新CBAの目玉はレギュラーシーズンの年間17試合制の導入とプレーオフ(PO)枠の増加だったが、その二つが可決された。

 17試合制は2021年度シーズンから施行され、POは2020年シーズンからAFC、NFCの各カンファレンスで1チームずつ増え、計14チームで行われる。

 

 新CBAはオーナーの提案を選手会が投票で賛否を問う形で行われた。最終的に選手会加盟の全員投票にゆだねられ、1019対959の小差で可決された。

 しかし、選手会加盟者は約2500人いるので、500人近くが投票に参加しなかったことになる。

 

 レーベンズのCBマーロン・ハンフリーは自身のSNSでそれをあからさまに非難した。

 賛否両論のヒートアップやこうした非難による選手間の「仲間割れ」を憂いたのか、イーグルスのSマルコム・ジェンキンスは「民主主義的な決断を尊重しよう。今こそ選手が一丸となるときだ」と投稿して火消しに回った。

 

 2019年度シーズンの最大の課題であった新CBAが成立したことで、NFLは予定通りアメリカ東部時間3月19日午後4時(日本時間20日午前6時)に新年度(リーグイヤー)が始まる。

 

 世界中で拡大する一方の新型コロナウイルスの感染だが、ついにNFLにも影響が出始めた。

 まずNFLは3月29日から4月1日の日程でフロリダ州パームビーチで行われる予定だったリーグ会議を中止とした。

 

 リーグ会議は各チームのオーナーたちが一堂に会し、ルール変更などを協議する重要な場で今年も複数のルール変更案について討議が行われるはずだった。

 代替日程は決まっていないが、5月のオーナー会議に議案が持ち越される可能性が高い。

 

 そして、アメリカの疾病対策センター(CDC)が50人以上が集まるイベントを今後8週間で中止か延期するよう要請したことを受けて、大学ドラフトが通常通りに開催できない可能性が出てきた。

 今年の大学ドラフトは4月23日から3日間の日程でラスベガスで行われる予定だ。

 今年からレイダーズが正式にラスベガスに移転することもあり、それを記念する大々的なイベントになる予定だった。

 

 しかし、この日程はCDCの要請する自粛期間に含まれる。NBAやNHLのシーズンが中断し、MLBの開幕時期の見通しも立たない中でNFLだけが大人数を収容する会場でドラフト会議を行うことは考えにくい。

 NFLは近日中にドラフト開催に関する見解を発表する見込みだが、前例のない形で開催されることも予想される。

 

 NFLのチームによっては選手やチーム関係者の不要不急の移動を制限するところもあるようだ。

 これは今後行われるであろう、有望な大学選手のプロデー(チームのスカウトを招いて自主開催で行う競技会)やフリーエージェント(FA)となった選手との移籍交渉にも影響を及ぼすに違いない。

NFLの「プロデー」でスカウトやコーチの前でパスを披露するオクラホマ大のQBジャレン・ハーツ(AP=共同)
NFLの「プロデー」でスカウトやコーチの前でパスを披露するオクラホマ大のQBジャレン・ハーツ(AP=共同)

 

 レギュラーシーズンの開幕日程にまで影響が出るかどうかは今のところは判断できないが、オフシーズンの重要なイベントは少なからず変更を余儀なくされる。

 月並みだが、一日も早い収束を願うばかりだ。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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