メニュー 閉じる メニュー

【4139】ゆきの美人 純米吟醸 超辛 山田錦 6号酵母(ゆきのびじん)【秋田県】

2020.2.11 15:15
秋田県秋田市 秋田醸造
秋田県秋田市 秋田醸造

【B手打ち蕎麦店で 全4回の①】

 山仲間のタケちゃん夫妻との忘年会。タケちゃんが住んでいる約100km離れた街に出向く。場所は、いつものB手打ち蕎麦店だ。ここの店主も友人で、趣向を凝らした、とても美味しい料理を作ってくれる。だから、タケちゃん夫妻と飲むのが楽しい。

 まずいただいたのが「ゆきの美人 純米吟醸 超辛 山田錦 6号酵母」。「ゆきの美人」は飲む機会が多い酒で、当連載でこれまで、14種類を取り上げている。甘旨酸っぱくて濃醇な酒、がわたくしの「ゆきの美人」に対するイメージだったが、今回のお酒はイメージとは真逆のお酒だった。これには仰天した。

 タケちゃん「おーっ、辛い!」
 酒蛙妻「飲みやすい」
 酒蛙「最初は、甘旨みと酸が来る。酸がきれいだ。中盤から辛み。余韻も辛み。スパっとキレる」
 酒蛙妻「軽い感じ」
 酒蛙「たしかに軽快なお酒だ。飲み進めていくと、次第に辛みが前に出てくる。超辛酒をうたっているが、辛みだけのドライ酒でないのがいい。旨みもあるからマイルドな辛みになっているところがいい。それにしても『ゆきの美人』がこのような酒も造るとは驚きだ」

 とにかく驚いた。甘旨酸っぱくて濃醇な酒という形を長年維持してきた「ゆきの美人」が真逆の酒を造ったのだから。このような挑戦は非常に良いことだ。さまざまなお酒に挑戦してみればいい。あれも「ゆきの美人」、これも「ゆきの美人」だ。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)、原料米 兵庫県産山田錦100%使用、精米歩合55%、アルコール分16度、日本酒度+17、製造年月2019.11」。

 この酒は、6号酵母を使って醸したのが特徴だ。6号酵母は、秋田市の新政酒造の蔵が発祥で、それまで不安定だった酒造りを安定したものにし、清酒酒造業を飛躍発展させた画期的酵母。清酒業界が今あるのは6号酵母のおかげ、と言っていいほどの金字塔的存在。新政酒造は、そのプライドのため6号酵母を使い続けている。

 新政酒造の蔵のホームページは、6号酵母について詳しく書書いているので、以下に転載する。

「五代目卯兵衛の採用した近代的酒造技法によって、自ずと選択された蔵付き酵母。これこそが、きょうかい六号酵母(新政酵母)です。この酵母の特徴は、中~低温での安定した増殖力と発酵力。また一般的な蔵付き酵母と比較して、驚くほど酒の酸度が低く、まろやかな味になる点。そして、なんといっても上品で馥郁たる香りです。  新政の酒が、新酒鑑評会主席を2年連続受賞するなど、その名声が頂点に達するに至った頃、五代目卯兵衛と花岡正庸氏はこの新酵母を研究の対象にすべきとの意見で一致しました。この頃、日本醸造協会は、失敗がつきものだった酒造りを改善しようと、高い醸造適正を有する酵母を選抜・培養し、全国の酒蔵に配布する取り組みを行っていたのです。
 そして昭和5年、花岡氏の弟子であった酒造技師、小穴富司雄氏が、新政のもろみからこの酵母を分離し培養することに成功。 後に、日本醸造協会より『きょうかい六号酵母』の名で発売されることとなったのです。発売直後から、この六号酵母は、全国の醸造家に画期的な一大転機をもたらす酵母となりました。
 以前の酵母とは比較にならない安定した醸造特性、また近代的な酒質が評価され、一躍、日本の醸造方法は、蔵付き酵母に頼る自然発生的なものから、醸造協会が頒布する培養酵母添加方式へと様変わりしたのです。速醸酒母と協会酵母という、現在の一般的な酒造方法は、この時、確立したといえます。
 このようなわけで、六号酵母は、 現在頒布されている協会酵母の中で一番歴史の古い酵母となっています」

関連記事 一覧へ