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大切なおもちゃ、直します おもちゃの病院

2020.1.15 14:50 共同通信

 誕生日にもらった車の模型が再びモーター音を上げて走りだすと、見守っていた少年の顔がほころんだ。浜松市の「おもちゃ病院WELIC(ウエリク)」の作業場。シニア世代のメンバーらが集い、ボランティアで壊れたおもちゃの〝治療〟を続けている。2001年の発足以来、直した数は6千個を超えた。

 高齢夫婦が孫代わりにかわいがっていた人形、息子に使わせてあげたいという父親が昔遊んだぬいぐるみ。傷んだ状態でも、持ち込まれるおもちゃはそれぞれ思い出が詰まったものばかり。

 月2回の活動日、机の上には修理に使う工具や部品がずらりと並ぶ。症状を記したカルテを作り、ルーペを手に状態をチェック。最近は電子部品を使った複雑な構造のものも増えたといい、互いに知恵を出し合い細かな作業に当たる。

 長い活動の支えになっているのは、直したおもちゃを受け取った時の子どもたちの笑顔だ。「ここでの活動は生きがい。少しは社会の役に立っているかな」。定年退職を機に5年ほど前から参加する岩井正広(いわい・まさひろ)さん(68)は胸を張る。熟練ドクターのチームワークで、おもちゃの再生はこれからも続く。(写真と文 鷺沢伊織・共同通信写真映像記者)

*写真・記事の内容は2019年10月4日までの取材を基にしたものです。