メニュー 閉じる メニュー

【編集後記】Vol.315

2020.1.9 13:40 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
「ライスボウル」の試合前に記念撮影する新たに殿堂入りした顕彰者、代理人=1月3日・東京ドーム
「ライスボウル」の試合前に記念撮影する新たに殿堂入りした顕彰者、代理人=1月3日・東京ドーム

 

 「日本のアメリカンフットボールの殿堂」に、新たに12人が顕彰者として殿堂入りし、1月3日に東京ドームで開催された日本選手権(ライスボウル)の試合前に表彰された。

 第5回となる今年の顕彰者選びに際し、僭越ながら「選考委員」を拝命し選考過程で意見を述べる機会を頂戴した。

 

 顕彰者は競技者、指導者をはじめ協会、報道、審判員、医療関係者など多岐にわたる分野から選考する。

 殿堂は山梨県の清里にある。日本にアメリカンフットボールを根付かせたポール・ラッシュ氏の功績をたたえる「ポール・ラッシュ記念館」に併設され、殿堂入りした顕彰者のパネルなどが展示されている。

山梨県の清里にある「日本のアメリカンフットボールの殿堂」
山梨県の清里にある「日本のアメリカンフットボールの殿堂」

 

 今回の12人を加え、顕彰者は48人になった。日大の名RBだった板哲夫さん、専門誌「TOUCHDOWN」を創刊した慶大OBの後藤完夫さんら、既に亡くなられた方も新たに殿堂入りした。

 関学大のQBとして活躍し、大学と関学高のコーチも務めた広瀬慶次郎さんは、夫人を伴って表彰式に出席した。

 

 広瀬さんは、1970年代にユタ州立大とウエークフォレスト大を率いて来日したチャック・ミルズ氏に師事し、本場米国で指導者のノウハウを学んだ。

 後に関学大の後輩である伊角富三・関西学生連盟理事長、今季限りで退任する関学大の鳥内秀晃監督が広瀬さんに続いて、ミルズ氏の下でコーチ修行を積んだことはよく知られている。

 

 子どもの頃にテレビで見た広瀬さんのプレースタイルは、スマートで激しかった。

 3年時の甲子園ボウルは、2年生の天才QB佐曽利正良さんを擁する日大に屈したが、4年時は見事に雪辱している。

 ユタ州立大との試合では、大型守備ラインにひるむことなく向かっていった。

殿堂入りした関学大の元QB広瀬慶次郎さん=1月3日・東京ドーム
殿堂入りした関学大の元QB広瀬慶次郎さん=1月3日・東京ドーム

 

 久しぶりに広瀬さんとお目にかかり、思い出したエピソードがある。

 関西学院アメリカンフットボールの中学・高校・大学の合同卒業式に呼ばれたときのことだ。

 慣れない賛美歌を歌いながら「関学っていいですね」とつぶやくと、隣にいた広瀬さんから「宍戸君は(日大の元監督)篠竹さんの影響を受けているので、中学部からやり直してもらわなあかんな」と、冗談とも本気とも取れる言葉が返ってきた。

 ずいぶん昔の話である。

 

 多くの候補者の中から顕彰者を選ぶ作業はとても難しかったが、有識者の知恵を借りて厳正に行われたことを、ここで強調しておきたい。

 次回の殿堂入りの選考は、5年後になる予定だ。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

最新記事