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チーフスが地区優勝、レーベンズもプレーオフ進出 NFL第14週

2019.12.11 10:53 生沢 浩 いけざわ・ひろし
プレシャーを受けながらパスを投げるチーフスのQBマホームズ(AP=共同)
プレシャーを受けながらパスを投げるチーフスのQBマホームズ(AP=共同)

 

 NFLは第14週を終了し、前週までのセインツ(NFC南地区、10勝3敗)に加えてチーフス(AFC西地区、9勝4敗)が地区優勝を決め、レーベンズ(AFC北地区、11勝2敗)がプレーオフへの出場権を手に入れた。

 一方で、チャージャーズやパンサーズなど両カンファレンスで計12チームがレギュラーシーズンで敗退することとなった。

抜群の運動能力で相手守備陣をかわして前進するレーベンズのQBジャクソン(8)(AP=共同)
抜群の運動能力で相手守備陣をかわして前進するレーベンズのQBジャクソン(8)(AP=共同)

 

 レギュラーシーズンはあと3週を残すのみで、これからは週を追うごとにプレーオフ枠が埋まり、脱落チームが増えていく。

 現在既に6チームが二けた勝利を挙げているが、その一方でNFCの東地区は首位で並ぶカウボーイズとイーグルスがともに6勝7敗で負け越し中というふがいない成績だ。

 残り試合をすべて勝ったとしても9勝どまりで、NFCのワイルドカードチーム(第5、6シード)の勝率を上回ることはない。

カウボーイズのRBエリオット(21)のTDラン(AP=共同)
カウボーイズのRBエリオット(21)のTDラン(AP=共同)

 

 プレーオフ1回戦でホーム開催権が与えられる4地区の優勝チームの成績がワイルドカードチームのそれを下回る「逆転現象」は珍しいことではない。

 ただし、今年はNFC東地で8勝8敗のチームが優勝する可能性があり、西地区では49ers(11勝2敗)とシーホークス(10勝3敗)が激しい優勝争いをしていることから、ワイルドカードチームが3、4ゲームも勝利数で上回る場合もあり得る。

 

 カウボーイズもイーグルスも今季は自慢のオフェンスが不発なままだ。

 カウボーイズはRBエゼキエル・エリオットがなかなか100ヤードラッシュの壁を破れず、イーグルスはけがで今季絶望のWRデショーン・ジャクソンの穴を埋められていない。

 カウボーイズは今季2度目の3連敗中、イーグルスはジャイアンツに勝ってようやく連敗を3で止めた。

 

 この両チームは第16週に直接対決を迎えるため、この勝者が地区優勝を手にする可能性が高い。

 最初の直接対決ではカウボーイズが勝っている。カウボーイズは昨年の地区優勝で、2年前にスーパーボウルを制したばかりのイーグルスもスーパーボウル候補の一角をなしていた。それだけにここまでの不調は残念だ。

 

 ワイルドカードチームの勝率のほうが地区優勝チームより高い現象は頻繁に起こるものの、不思議とプレーオフのシード順位の再編の必要性を求める声は少ない。

 過去になかったわけではないが、現在ではその議論は皆無といっていい。

 アメリカのプロスポーツでは、依然として地区優勝チームを優遇する伝統が根強いのが理由の一つだ。

 プレーオフでのホーム開催の利権は大きいから、オーナーたちも既得権を手放そうとはしない。

 

 2010年シーズンにはシード順位の再考の議論が巻き起こった。この時はシーホークスが7勝9敗という負け越しにもかかわらず地区優勝したからだ。

 対戦したのは前年度スーパーボウル優勝で、11勝5敗のセインツ。ロードのセインツが実に4試合も多く勝っていたのである。

相手のパスをインターセプトして喜ぶセインツのLBロバートソン(52)(AP=共同)
相手のパスをインターセプトして喜ぶセインツのLBロバートソン(52)(AP=共同)

 

 ところが、大方の予想を覆してシーホークスがセインツを破ってしまう。シード順位はシーホークスのほうが上だったから「アップセット」とは言えない結果だが、これによってシード順位最高の議論が下火になったのは事実だ。

 プレーオフは新たなシーズンであると考えるHCは多い。実際に、プレーオフに入ってから急にチームの調子が上がった例はいくつもある。

 NFC東を制するのはカウボーイズなのかイーグルスなのかは分からないが、どちらにしてもプレーオフで切り替えてあっと驚く試合展開を見せてほしい。それがホーム開催権を与えられる地区優勝チームの使命でもある。

生沢 浩 いけざわ・ひろし

名前 :生沢 浩 いけざわ・ひろし

プロフィール:1965年生まれ。上智大卒。1991年にジャパンタイムズ入社。大学時代のアメリカンフットボール経験を生かし、フットボールライターとしても活動。NHKーBSや日テレG+でNFL解説者を務める。「Pro Football Writersof America」会員。

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