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【4049】楽器正宗 別撰 中取り 特別本醸造(がっきまさむね)【福島県】

2019.11.25 23:05
福島県西白河郡矢吹町 大木代吉本店
福島県西白河郡矢吹町 大木代吉本店

【日本酒研究会月例会 全6回の②】

 異業種間の日本酒研究会。単なる飲み会だが、ちょっと気どって研究会だ。足掛け13年目に突入した超長寿飲み会。毎月開いてきたが、この間、一度も休まず飲んできた。みなさん、なんと研究熱心なことか。今回は4人での月例会となった。

 店主がトップバッター「本まぐろ 純米吟醸」に続いて持ってきたのは、これまた仰天酒名の「楽器正宗 別撰 中取り 特別本醸造」だった。「楽器正宗」は当連載でこれまで、「楽器正宗 本醸造 無濾過 原酒」(当連載【3473】)と「楽器正宗 別撰 特別本醸造」(当連載【3735】)の2種類を取り上げている。今回の酒は【3735】と違うのは「中取り」だけ。中取りは、荒走り(最初に槽口から流れ出る酒)と責め(最後圧力をかけて搾りだす酒)の間の、一番美味しい部分だ。さて、いただいてみる。

 酒蛙「ピリピリ微発泡を感じる。フレッシュ!」
 Y 「旨いっ!」
 H 「いいね、微発泡」
 酒蛙「甘旨酸っぱい。キレが良い。トロピカルフルーツ的香り」
 H 「これなら人気があるのが分かる。女性にもいいね」(店主が「この酒、人気があるんですよ」と言いながら持ってきたことを受けて)
 M 「同感だ」
 酒蛙「これはいい。実に飲みやすい」
 H 「すごいな。なんなんだ、これは!」
 酒蛙「さわやかな甘旨みだ。さっぱり、すっきりとした飲み口」
 M 「微発泡が印象的だ」
 酒蛙「さわやかさを感じさせる甘旨みなんて、そうざらにあるものではない。すごいな。酸もチャーミングで、全体的に軽めの口当たり。そして、酸とトロピカルフルーツの香り、それにさわやかな甘旨みと相まって、極めてジューシーなお酒に仕上がっている。これは旨い。個人的感想だが、今まで飲んだ『楽器正宗』の中で、これが格段に旨いとおもう。とても本醸造酒とはおもえない」

 蔵のホームページはこの酒を「別撰の中取りタイプ。通常版とはまた違う味と香りを楽しんでいただけます」と紹介している。

 瓶の裏ラベルのスペック表示は「原材料名 米(国産)米麹(国産米)醸造アルコール、精米歩合 麹米60% 掛米60%、アルコール分16度、製造年月 2019.10.8」にとどまり、使用米の品種名が非開示なのは残念だ。しかし、蔵のホームページでは、この酒の使用米は、福島県産「夢の香」と開示している。

「夢の香」(ゆめのかおり)は、福島県農業試験場が1991年、母「八反錦1号」と父「出羽燦々」を交配、育成と選抜を繰り返し品種を固定。2000年に命名、2003年に種苗法登録された酒造好適米だ。

 かなりユニークな酒名「楽器正宗」の由来について、蔵のホームページは以下のように説明している。

「『楽器正宗』の名前は、大正年間二代目代吉の時、朝香宮様が当地を来訪した際、大木代吉本店の酒を所望され大変気に入り、その時随行していた宮内庁の雅楽師で君が代の作曲者とされる奥好義(おく よしいさ)が『酒造りも楽器を奏でることも、元は同じく神様への捧げ物』と言われたことに由来しています。二代目代吉は、醤油屋から分家したこの酒蔵を発展させ、酒造りでも既成概念を打ち破る斬新なアイデアで大木代吉本店の基礎を作りました」

「君が代」の楽曲完成は1880年のころと言われる。そして、「楽器正宗」が誕生したのは大正年間(1912年~1926年)。「君が代」が成立してから、ざっと30~40年後に「楽器正宗」の名が生まれたことになる。かなり昔の命名だ。戦後しばらくしてから名が消えたが、2017醸造年度から「楽器正宗」の名を復活させた、という。

 蔵の主銘柄は「自然郷」(しぜんごう)。その由来について、「日本の名酒事典」は、「慶応元年(1865)創業。酒名は、郷の自然の中で有機農法米を原料に、添加物を使用せずに造った酒の意で名づけられた」と説明している。

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