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【編集後記】Vol.304

2019.10.17 13:23 宍戸 博昭 ししど・ひろあき
6月に行われた日大と慶應の交流戦=日大下高井戸グラウンド
6月に行われた日大と慶應の交流戦=日大下高井戸グラウンド

 

 慶應大が、8月の夏合宿で「複数の部員による著しく不適切な行為があった」として、無期限で活動を自粛すると発表した。

 関東大学リーグ1部TOP8で第3節を終えて2勝1敗の慶應は、第4節以降の試合を棄権、不戦敗扱いになる。

 今回の不祥事は、昨年日大が起こした「危険な反則タックル問題」同様、アメリカンフットボール界に大きな衝撃を与えた。

 

 「ワールドカップでの日本代表の躍進でラグビーは盛り上がっているのに……。アメフトは大丈夫なのか」

 大学、社会人でQBとしてのプレー経験がある著名なクリエーティブディレクター岡康道さんは、相次ぐ大学チームの不祥事に表情を曇らせる。

 シニアチームの代表も務める岡さんは、仕事柄世の中の動きに敏感だ。大好きなアメフトからファンが離れ、埋没していくのではという危機感を持っている。

 

 関係者によれば「不適切な行為」とは、夏合宿で男子部員が女性用の風呂の様子を盗撮したのだという。事実だとすれば、被害者のプライバシーに最大限配慮した対応が望まれる。

 

 日大の場合は、学生と指導陣のコミュニケーション不足による組織の硬直化が原因だった。慶應のケースは組織内の緩みに起因する、極めて愚かな行為と断罪されても仕方がない。

 

 ラグビー日本代表は「規律」と「ハードワーク」を徹底し、次々に強豪を撃破。テレビの瞬間最高視聴率が50%を超えるなど、スポーツファンを惹きつけてやまない存在になっている。

 同じ楕円のボールを使う〝兄貴分〟として、競技の魅力を存分に披露している。

 

 1947年の第1回甲子園ボウルを制している「ユニコーンズ」。

 栄冠からは久しく遠ざかっているが、日本アメフト界の名門であるというプライドは常に持ち続けなければならない。

 

 どうした慶應! 再生に向けた道のりは険しいが、こういう時こそ「KEIO」ならではの組織力を発揮して、信頼回復に全力を尽くしてほしいと願っている。(編集長・宍戸博昭)

宍戸 博昭 ししど・ひろあき

名前 :宍戸 博昭 ししど・ひろあき

プロフィール:1982年共同通信社入社。運動記者として、アトランタ五輪、テニスのウィンブルドン選手権、ボクシングなどスポーツ全般を取材。日本大学時代、「甲子園ボウル」にディフェンスバック、キックオフ、パントリターナーとして3度出場し、2度優勝。日本学生選抜選出。NHK―BSでNFL解説を20年以上務めている。

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