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(513) 森の仕組み再現した運動具 スマトラオランウータン(下) 

2019.9.6 0:00
動具で遊ぶ2頭目の子ども「リリー」。生後7カ月のとき(市川市動植物園提供)
動具で遊ぶ2頭目の子ども「リリー」。生後7カ月のとき(市川市動植物園提供)

 

 千葉県の市川市動植物園で2月、スマトラオランウータンの赤ちゃんが生まれた。お父さんはイーバン、お母さんはスーミー。26年前に来たばかりのときは大げんかして、スーミーがイーバンをやっつけていたけれど、10年ぐらいたってようやく仲良しになり、もうこれが3頭目の赤ちゃんだ。
 飼育係の水品繁和(みずしなしげかず)さんによると、オランウータンにはボルネオオランウータンとスマトラオランウータンの2種がいる。すむ場所が狭まり、ボルネオオランウータンは推定4万5千~6万9千頭、スマトラは1万4600頭まで減っている。
 日本の動物園のスマトラオランウータンは今度の赤ちゃんをふくめてもたった11頭。だからとても大切な子どもだ。
 15年前、最初に生まれたオスの「ウータン」はやんちゃで、お母さんは育児で疲れてしまった。「そこでウータンが自分で遊べるものを作ろうと考えました」と水品さん。
 森を再現することにした。といっても、本物の森は作れない。同じ使い方(遊び方)ができるように「木のえだや幹、からまるツルを鉄のポールや麻のロープで作り、幹と幹の間をねじった消防ホースでつなぎました」。
 親子はこの運動具をよく使っている。「自然は再現できなくても、仕組みや本質を読みといて、動物園で与えられる形にしていくんです」(文・佐々木央)

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