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シーズンが本格化 米大学フットボール2019

2019.9.4 12:32 丹生 恭治 にぶ・きょうじ
相手ディフェンダーを飛び越えて前進するオクラホマ大のRBサーモン(AP=共同)
相手ディフェンダーを飛び越えて前進するオクラホマ大のRBサーモン(AP=共同)

 

 本場米国のカレッジフットボールが、本格的にシーズンインした。

 本来なら8月末の29日から30日ごろに始まる週を「第1週」とか「幕開け」とか書きたかったのだが、今年はその一つ前、8月の24日にすでに始まっていたのだから、この辺のところは「シーズンが始まった」といった形にするよりほかに手がない。

 

 いきなりボヤキで始めたが、2019年の立ち上がりはよく言えば順当、皮肉を込めれば平凡なスタートだった。

 まずは8月第4土曜日の24日、前回紹介したばかりのランキング8位の「強豪」南部南東リーグ(SEC)のフロリダ大が、いきなり南部の有力校で大西洋岸リーグ(ACC)コースタル地区のフロリダ州のマイアミ大と顔を合わせた。  

 

 私事で恐縮だが、私にこうした本場米国のフットボール、それもカレッジに絞って「書いてはどうか」と、各方面からお誘いが来るようになって実はまだ日が浅い。

 これに歩調を合わせるように、カレッジの顔ぶれが新しく動き始めた時期だったことを思い出す。

 

 マイアミ大は実はその中心にいたチームだった。こじつけるようだが、ランク外とはいえこのマイアミ大が、ランク校上位のフロリダ大と開幕戦を飾るカードを組む。いわば極めて順当な組み合わせで今季のカッレジフットボールは幕を開けたのだった。

 

 どうやら好ゲームだったらしい。ランク外のチームがランク8位に挙げられたチームに真っ向勝負を挑み、試合終了間際までリードを保っていたのだから、その場に居合わせたら、体の中から湧き上がってくるものもさぞや大きかっただろうと思う。

 それと同時に、こうしたゲームを大詰めで24―20とひっくり返してしまうあたり、さすがランク校と言えた。

 ランキングの話で書き始めたので、ランク8位の強さを強調してみたが、私はもう一つ気持ちの上で南東リーグ所属校のレベルの高さを忘れてはなるまいと考えている。むしろそちらの方に気持ちが傾いていることを白状しておこう。

オレゴン大戦で相手のファンブルボールを拾って走るオーバーン大のDEブライアント(AP=共同)
オレゴン大戦で相手のファンブルボールを拾って走るオーバーン大のDEブライアント(AP=共同)

 

 ランキング上位校が順当に勝つ、平凡と書いてはみたが、これが最初から波乱の滑り出しとなると、妙な論法になるが、傾向として結構面倒くさいシーズンに終始することが多い。

 つまり波乱続き、番狂わせの連続となって順位やランク付けに毎週悩むことになるからである。

 ランクや順位の変動はたまにはいいかもしれないが、毎週となると興味が薄まってしまうケースが多い。

 遠い国のことなので、こちらの愚痴やボヤキが届くわけはないが、こうしたものはできるだけ少ないシーズンであってほしいものである。

 

 さて8月末の試合だが、29日にはランク2位のクレムソン大が登場した。ACCアトランティック地区の雄は、同リーグのコースタル地区のジョージア工科大を52―14で退ける上々のスタートを切った。

 この日はランク12位でSEC西地区のテキサス農工大が、サンベルト連盟(SBL)西のテキサス州立大に41―7で快勝した。

 ランク14位で太平洋12大学(Pac12)南地区のユタ大は30―12で独立校のブリガムヤング大を退けた。

 

 ランキング17位の中央フロリダ大はアメリカン体育連盟(AAC)東地区をリードする強豪。最近急上昇してきたチームで、この日は下位のフロリダ農工大に62―0で完封勝ちした。

 翌30日はビッグ10勢が登場。18位の東地区ミシガン州立大が28―7でAAC西のタルサ大を退け、19位の西地区ウィスコンシン大は49―0で下位の南フロリダ大を完封した。

 

 31日はランク1位のアラバマ大が(SEC西)が42―3でACCコースタル地区デューク大を一蹴。3位ジョージア大(SEC東)も同一地区のバンダービルト大に30―6で快勝した。

 ランク5位ビッグ10東のオハイオ州立大は45―21で下位のフロリダアトランティック大を退けた。

独走するオハイオ州立大のQBフィールズ(AP=共同)
独走するオハイオ州立大のQBフィールズ(AP=共同)

 

 ランク6位のSEC西のルイジアナ州立大(LSU)は下位のジョージアサザン大を55―3と寄せ付けず、ランク7位でビッグ10東のミシガン大は40―21でミドルテネシー大に勝った。

 10位でビッグ12のテキサス大は下位のルイジアナ工科大を45―14で退けた。

 ランク校同士の対戦として注目された試合は、Pac12北の11位オレゴン大がSEC西の16位オ-バーン大に21―27で敗れる波乱があった。波乱と書いたが、両校の「格付け」から見れば互角であろう。

 

 ランク13位でPac12北のワシントン大は格下の東ワシントン大を47―14で退け、15位でビッグ10東のペンシルベニア州立大は下部のアイダホ大に79―7で大勝した。

 20位のビッグ10西のアイオワ大は中部アメリカン連盟(MAC)東のマイアミ大(オハイオ)を38―14でかわした。

 ビッグ12のアイオワ州立大は下部の北アイオワ大に食い下がられ、2度の延長の末29―26で辛勝。ACCアトランティック地区のシラキュース大は下位のリバティー大を24―0で下した。

 

 このほか23位でPac12北のワシントン州立大は独立校のニューメキシコ州立大に58―7と大勝。24位でビッグ10西のネブラスカ大は35―21で下部の南アラバマをかわした。

 ランク25位Pac12北のスタンフォード大も17―7でビッグ10西のノースウエスタン大に競り勝った。

 

 9月に入ってからのランク校の試合は1日のビッグ12、ランク4位のオクラホマ大がAAC西のヒューストン大を49―31で破ったのと、独立校の雄で9位のノートルダム大がACCアトランティック地区のルイビル大を35―17で下した2ゲームが行われた。

ルイビル大戦でTDを挙げたノートルダム大のQBブック(12)(AP=共同)
ルイビル大戦でTDを挙げたノートルダム大のQBブック(12)(AP=共同)

 

 開幕の週は試合数も比較的少ないので、ランキングに上がっている諸校を網羅してみた。

 11位以下のランクは「AP」と「USAトゥデー」の併記になってしまうので、APランキングで統一した。

丹生 恭治 にぶ・きょうじ

名前 :丹生 恭治 にぶ・きょうじ

プロフィール:1934年生まれ。関西学院大学卒業後、東京新聞社で運動記者としてスタートし、1962年に共同通信社へ移籍。著書に、中学時代から関学で親しんだアメリカンフットボール生活を描いた「いざいざいざ」がある。甲子園ボウルには高校時代と合わせて6度優勝。

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